マネー研究所

ヴェリーが答えます

分割後に株価はなぜ下落? 企業価値は不変だから

2018/5/15

「株式分割後に株価が下がる理由を教えてください」(東京都 60代男性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

 株式分割とは、既存の株式を細かく分割することをいいます。発行済み株式数は分割により増えますが、その会社の資本金は変わりません。株式分割で発行済み株式数が仮に2倍以上に増えたとしても、企業の価値を表す時価総額はそのまま変わりません。このため株式数が増えた分だけ、株価は下がることになるのです。

 時価総額は、株価と発行済み株式数をかけ算して求めます。仮に発行済み株式数が、分割で2倍になったとします。株式数が2倍になっても時価総額は変わりません。このため株価は理論上、半分になります。株式数が3倍になると、株価は同様に3分の1になります。

 このように株式分割それ自体は、企業価値を左右するものではありません。ただ分割後は株価が下がるため、個人投資家にとっては株式をより取得しやすくなります。

 マツモトキヨシホールディングス(3088)の株式分割の事例をみてみましょう。同社は昨年12月末を基準日として、普通株式1株を2株に分割しました。分割の権利落ち日の前日終値は9310円でしたが、翌日はほぼ半値の4715円で引けています。

 かつては株式分割の基準日から、効力発生日まで約2カ月かかっていました。特に1株を100株に分割するような大規模分割のケースでは、この間に株価が大きく変動することがあり、問題になっていました。

 そこで東京証券取引所などは2005年から、5分割を超える株式分割の自粛を要請。06年には分割基準日の翌日に、効力が発生するように改めています。

[日経ヴェリタス2018年5月6日付]

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