日経ヘルス

【調理法も工夫して 老けない食べ方2】 AGEが多い食品を控える

肉や魚、チーズなどたんぱく質の多い食材は、「焼く・揚げる」などの高温調理で食品中のAGE量が増えやすい。老化を防ぐには、できるだけ「ゆでる・蒸す・生」がお薦めだ。

皮なし鶏むね肉(生、ゆでる、電子レンジ、焼く)のそれぞれのAGE量と、鶏むね肉を20分揚げた場合のAGE量をグラフ化した(すべて90g当たり)。焼く、揚げるという高温調理でAGEが急増する(データ:J Am Diet Assoc.;110,911-916,2010より作成)

大量のAGEを体内に入れないためには、調理法による違いを知っておくことが重要だ。

主な食材とAGE量の一覧(データ:J Am Diet Assoc.;110,911-916,2010をもとに改変)※一食当たりのAGE量が、1日の摂取目安量7000KU(AGE量の単位)の3分の1を超える2500KU以上のものについて黄色く網掛けした

「食品中のAGEを最大限に増やしてしまうのが高温での調理。揚げるよりは焼く、焼くよりは電子レンジ加熱、ゆでる・蒸すなどの調理法がAGEは抑えられる。刺身のような“生”だとさらに少ない」と牧田院長。

高温調理で特にAGEが増えやすいのが、肉や魚、チーズ、卵など、たんぱく質が多い食品だ。表にも示すように、同じ鶏むね肉でも、焼いたり、揚げたりすることで、AGE量はぐんと高くなる。ベーコンやフランクフルトソーセージなども、焼くと1食分なんと1万KU以上と、1日の摂取目安量の7000KUを超える超高AGE食になるが、ゆでたり、電子レンジ調理なら低く抑えられる。卵料理もゆで卵だと目玉焼きの6分の1以下で済む。

また、しょうゆや味噌などの大豆を使った調味料は、醸造の過程でたんぱく質の糖化が進むが、「少量を普通に使う分には問題ない。ただし、魚の『照り焼き』など、砂糖が入ったしょうゆに漬けて焼く調理法はAGEができやすい」と牧田院長。

とはいえ、揚げ物などの高温調理食品や、高AGE食品をどうしても食べたいときには、レモンや酢、緑黄色野菜を上手に使って、表を参考に、「老けない食べ方」を身につけていこう。

AGE牧田クリニック
牧田善二院長


 糖尿病専門医。長年AGEを研究。久留米大学医学部教授を経て、東京・銀座に肥満や糖尿病治療専門クリニックを開業。延べ20万人以上の患者を治療。著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)など。

(構成・文 新村直子、料理・スタイリング 渡辺ゆき、写真 小林キユウ)

[日経ヘルス 2018年5月号の記事を再構成]