はっ水、ストレッチも 軽くて涼しい高機能スーツ3選
これからの季節に狙い目 軽いビジネスギア(下)
普段持ち歩く物や毎日着る服が軽ければ、体への負担を軽減でき、通勤や営業がラクになるはず。そこで、「軽さ」にスポットを当ててビジネスギアを紹介する。靴(記事「革靴なのに走れる!? 軽いビジネスシューズ4選」参照)、カバン(記事「軽くて収納も十分 800g以下のブリーフケース3選」参照)に続き、取り上げるのは軽いスーツ。いずれも夏用のスーツのため涼しく、さらにはっ水性やストレッチ性といった機能も搭載しており、ストレスのない着心地が楽しめる。
今回はビジネスの現場で違和感なく使えるデザインや色合いの「軽いスーツ」を選んだ。一見、普通のスーツに見えるが、実際に袖を通してみればその軽快さに驚くだろう。
デニムとの組み合わせも自在
マッキントッシュ フィロソフィーを代表する「トロッター」シリーズ。ビジネスパーソンが出張を快適に過ごすためにつくられたコレクションで、優れた機能と上品な外観を併せ持つ。
その中から、今回紹介するのは、新たに登場した夏用のジャケットとパンツ。
「軽装になるこれからの時期、『軽い』ことはもはや当たり前となっており、さらにプラスαの要素として『伸縮性』や『ウオッシャブル』といった機能が重視されています」と話すのは、三陽商会マッキントッシュ フィロソフィーPR担当の菊池智子氏。夏向けの「トロッターウルトラライト」は、ジャケット約280g(※編集部調べ)と一般的なスーツジャケットの半分程度の重さ。その上、同シリーズらしい機能を搭載しているのが魅力だ。
ドライな質感のシアサッカー生地(凹凸のあるしじら織りの生地)を、吸汗速乾性に優れたポリエステル100%のクールマックス素材で実現。2017年春夏モデルから採用した同生地は、「ウオッシャブル」「シワになりにくい」「吸水速乾」「ストレッチ」といった、ビジネスシーンを快適にする機能を併せ持つ。カジュアルに見えがちなシアサッカーだが、ハリのある細畝の生地とスマートなシルエットのため、ビジネスシーンでも違和感なく着こなすことが可能。
「4月上旬からの展開ですが、今年は気温が高いこともあり販売開始から約2週間で、前年比2倍ほどのペースで稼働しています。主な購買層は30~40代のビジネスパーソン。通常のスーツと比較するとややカジュアルな印象にはなるため、セットアップ需要では服装の自由度が比較的高い方の購入が多いです。また上下別々での販売をしているので、デニムやカットソーと合わせるカジュアルアイテムとしてもご購入いただいています」(菊池氏)
超軽量&多機能な新作セットアップ
「ビジネスパーソンの毎日を快適にする」をコンセプトに、ニューヨーカーが展開する「フレキシー」シリーズ。今シーズンはセットアップが注目されていることから、2018年春夏は超軽量&多機能な「フレキシー セットアップスーツ」を新たにラインアップした。
ポリエステル100%のジャケットは、重さわずか約260g(※編集部調べ)。使用するパーツも軽量のものを選定している。軽量化のためパーツを省いてもシワが出ないようにパターンや仕立てにこだわり、立体的なフォルムを作り上げている。
通気性が高く、「吸水速乾」「シワになりにくい」「ストレッチ」「ウオッシャブル」といった機能を備える。ムレや汗を気にせず快適な着心地が楽しめるのもうれしい。
また、パンツの内側にはゴムのウエストアジャストを採用しているため、長時間座ってもウエストまわりの窮屈さを感じにくく、立ったり座ったりを繰り返してもストレスフリーな点も見逃せない。
「フレキシーシリーズのセットアップは、3月31日の発売から225着売れているヒット商品です。年々『涼しい商品はどれ?』『シワにならないジャケットはどれ?』などの要望が多くなっているのですが、その場合、この商品をお薦めしています。主な購買層は40~50代のビジネスパーソン。毎日の通勤が快適になるだけでなく、Tシャツなどを合わせてカジュアルに着崩せるジャケットになっています」(ニューヨーカーPR 新開弥生氏)
伊老舗ブランドの高機能生地を使用
イタリアの老舗生地メーカー、チェルッティとシップスがコラボレーションした「i-CRUISEコレクション」ブランド。今回紹介するのは18年に登場した、高機能生地で仕立てたスーツだ。
使用している生地は、チェルッティのトラベル向け素材「i-Travel」と清涼素材「Cool elegance」を組み合わせたもの。この生地を使うことで「シワになりにくい」「はっ水」「ナチュラルストレッチ」「通気性」「吸湿速乾」「接触冷感」という6つの機能を持つスーツに仕上がっているという。
ウール100%のため、品よく着こなせるところもポイント。ジャケットの重さは約600g(※編集部調べ)と一般的なスーツと同程度ながら、ウール生地にこれだけ多くの機能を搭載しているスーツはほかにない。
遠目からは無地に見えるシャドーウインドウペン(ウインドウペンは格子柄という意味)も高級感を放つ。高機能スーツには見えない上品なルックスで、さまざまなビジネスシーンに対応できる点はやはり魅力的だ。
「6つの機能を持つスーツとして、販売は好調に推移しています。素材は18年春夏の新素材で、夏のクールビズシーズンまで着用できる汎用性も、お客様からの支持をいただいている点のようです。チェルッティの生地を採用したこともあり、ファッション感度の高いビジネスパーソンからの反響もあります」(シップス・プレス 今竜太氏)
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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