時代に追いやられ天空に登った幻のサル 古文献で判明

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/5/12

人口増加、農地開発、乱獲、森林伐採、これらすべてが、シシバナザルの分布域を脅かしてきた要因である。中国の人口が過去60年間で2倍に増えると、サルの生息地は細分化され、問題はますます深刻化した。何らかの措置がとられなければ、一部の種はあと50年以内に絶滅してしまう恐れがある。

一部のシシバナザルの種は、保護措置が取られなければあと50年以内に絶滅するかもしれない(PHOTOGRAPH BY JED WEINGARTEN, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

「人間以外の霊長類は、世界の約90カ国に生息しています。しかし、これらの国の多くは十分な資金を持たず、専門家や科学者もほとんどいません」とガーバー氏は危惧する。「その点中国は、何か意味のある行動を起こすことができる立場にあり、サルたちに対する影響を軽減させてやることができます」

論文の筆頭著者で中国科学院の霊長類学者、趙序茅氏は、サルの保護に最も有効なのは国立の保護区を設けることだと指摘する。

国や地方自治体が運営するシシバナザルの保護区は、すでに中国に38カ所以上あり、現在生存するほぼ全てのシシバナザルがこれらの保護区内にすんでいる。ミャンマーとの国境に生息し、深刻な危機にあるウンナンシシバナザルも、間もなく設立される怒江大峡谷国立公園で保護される予定だ。保護区の基本計画は2016年に承認された。

(文 Sophie Yeo、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年4月20日付]

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