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World Food Watch

経済危機ベネズエラから世界へ 移民広める故郷のパン

2018/5/10

ベネズエラの国民食「アレパ」

 ベネズエラの経済危機は世界的なニュースだが、日本では新聞やテレビのニュースに取り上げられることは非常に少ない。

 正式名称ベネズエラ・ボリバル共和国。南アメリカ大陸の北部に位置する天然資源が豊富な美しい国だ。世界トップクラスの原油埋蔵量を誇り、2000年前半までは南米屈指の裕福な国であった。が、世界的な原油価格の下落と石油政策の失敗により経済が破綻。多くの国民が貧困にあえいでおり、昨年1年間で国民の体重は平均11キロ減ったという。

 私は中南米を長期滞在しながら旅をしているが、ベネズエラ以外の国でもベネズエラの深刻な状況は肌で感じる。そして、それは主に「食」や「食の現場」を通じてである。

 というのも、現在、約3000万人の国民のうち約220万人のベネズエラ人が自国に見切りをつけ、国外に移住している。彼らはまず隣接するコロンビアかブラジルにバスか徒歩で渡る。その後、彼らの多くは比較的治安がよい、彼らの公用語であるスペイン語圏のエクアドル、ペルー、アルゼンチン、チリを目指す(ブラジルの公用語はポルトガル語)。そこで彼らは故郷のソウルフード・アレパと呼ばれるパンを道端で売ったり、レストランで働いたりして生活費を稼いでいるのだ。

 昨年の夏ごろ、ペルーの首都・リマで現地の駐在妻とランチをしていたときのこと。レストランでオーダーをし終わるやいなや「いまのカマレロ(ウエーターのこと)、たぶんベネズエラ人だね」と彼女が言った。

「へぇ! なんで分かるの?」と聞くと、「だってスペイン語の発音がペルー人とは違うもの」との答え。

 南米の多くはスペイン語が公用語だといっても、その国ごとにちょっとずつ使う単語や発音に違いがある。さすが駐在歴3年にもなると、そのへんの違いも分かるようである。

「ほら、それにちょっとカッコいいじゃない?」となんだかうれしそう。ペルー人はあまり背が高くなくポッチャリした体形の人が多い。対して、ベネズエラは石油産出国だけでなく実は「美女美男産出国」としても知られ、女も男もかっこいいのだ。

「ミス・ワールド」「ミス・インターナショナル」「ミス・ユニバース」といった美を競う世界的なコンテストで、ベネズエラは世界で2番目に多く優勝者を出している(ちなみに1位は米国)。そういえば、テレビのミスコン番組を見ていると、ベネズエラがいつもファイナル戦まで残っている印象がある。

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