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一瞬の激突で何が? ワシの大げんかをスローで克明に

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/5/18

ナショナルジオグラフィック日本版

 ハクトウワシ同士の餌をめぐる争いは1秒にも満たない。写真家クリスチャン・ザッセ氏は、スローモーションで撮影することで、写真や通常の動画では分からなかったワシの争いを克明にとらえた。その貴重な映像を紹介しよう。

 この映像が撮影されたのは、米アラスカ州アリューシャン列島東部のダッチ・ハーバー。スローモーションの映像を見ると、まだら模様のある若いワシが鳥の群れに向かって急降下し、魚をついばんでいた成鳥に体当たりを食らわせている。不意をつかれた成鳥は後ろに押し倒され、水中に沈みそうになるが、どうにか体勢を立て直す。

 「若いワシのかぎ爪が、すんでのところで成鳥の目に届くところでした。目に傷を負ったワシをたまに見かけるのですが、こうした仲間同士のけんかが原因なのでしょう」と、ザッセ氏は話す。激しい格闘で、くちばしが欠け、脚に傷を負い、顔に深い切り傷を残すワシもいる。

 一瞬で終わる闘いをスローモーションの映像に収めるのは難しい。こうした映像があると、ワシの飛行を流体力学と空力弾性学を用いて物理的に解明する手がかりになるという。「羽毛は目に見えない空気の流れに対し流線形を保っており、どの羽根も独自の役割を持っています。これらを高度に組み合わせて連動させて、ワシは空中を自在に飛んでいるのです」とザッセ氏は話した。

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2018年3月20日付記事を再構成]

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