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「適量の飲酒なら健康にいい」はウソ?ホント?

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NIKKEI STYLE

この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!

【問題】お酒は一般に「適量の摂取なら健康にいい」といわれています。しかし、これは本当なのでしょうか?

(1)ホント

(2)ウソ

(3)病気などの条件による

正解は、(3)病気などの条件による です。

「酒は百薬の長」という言葉があるように、昔から「お酒は適量摂取」なら健康効果があるといわれています。ただし、少量の飲酒でも悪影響を及ぼす可能性があります。

Jカーブ効果は、すべての病気にいえるわけではない

「適量を飲む分には死亡率が下がるが、一定量を超えてくると、死亡率が上がってくる」という現象を、専門用語で「Jカーブ効果」といいます。飲酒量を横軸に、死亡率を縦軸にとると、グラフの形状が「J」の字に似ることからそう呼ばれています。

しかし、このJカーブ効果、すべての病気、すべての人に対して同じ傾向を示すわけではありません。

独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長の樋口進さんは、「コホート研究などにより、飲酒と総死亡率についてはJカーブ効果が認められています。ただし、すべての疾患に対してあてはまるわけではありません。つまり、病気によっては、少量の飲酒でも悪影響を及ぼす可能性があります。少量の飲酒がすべてに対していい効果が出るというわけではないのです」と話します。

樋口さんによると、飲酒量と健康リスクについては、欧米や日本で研究が進められており、飲酒量と総死亡について「Jカーブ」の関係にあることが示唆されているそうです。「欧米人を対象とした14の研究をまとめて解析し、1996年に発表された報告では、男女ともに1日平均アルコール19gでの飲酒者の死亡リスクは非飲酒者より低くなっています」(Holman CD,et al. Med J Aust. 1996;164:141-145.)。

国内でも、大規模コホート研究により、適量飲酒が死亡リスクを低下させているという結果が出ています(Ann Epidemiol. 2005;15:590-597.)。これは国内の40~79歳の男女約11万人を9~11年追跡した結果で、総死亡では男女ともに1日平均23g未満(日本酒1合未満)で最もリスクが低くなっています。

このような国内外での報告から、「適量飲酒は死亡率を下げる」ということが通説となっているわけです。なお、樋口さんは、次のように補足します。「コホート研究の結果によって、少量飲酒者の死亡率が低いという結果が出ていることは確かです。しかし、これは飲酒との因果関係を示すものではありません」。また、「Jカーブ効果が認められているのは、先進国の中年男女だけ」(樋口さん)なのだそうです。

高血圧、脂質異常症などは少量飲酒でもリスクは高まる

では、少量飲酒であってもリスクが高くなるのはどんな疾患なのでしょうか。

「少量飲酒であっても、リスクが上がるのは主に高血圧、脂質異常症、脳出血、乳がん(40歳以上)などです。これらの疾患は、飲酒量に比例してリスクは直線的に上がっていきます。つまり、少量でも飲酒すればリスクは上がります。乳がんは遺伝的な要素が強い疾患ですが、それでもアルコールを飲まないより、飲むほうが罹患リスクは上がります」(樋口さん)

「肝硬変の場合は、指数関数的な傾向を示します。飲酒量が増えるとリスクが上がるのは同じですが、少量の場合のリスクの上がり方は穏やかで、ある水準を超えると一気にリスクが高くなります」(樋口さん)

では、なぜ全体の死亡率については、「適量の飲酒でリスクが低くなる」という傾向が見られたのでしょうか。樋口さんはこう説明してくれました。

「上のグラフにあるように、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、脳梗塞、2型糖尿病などは、少量飲酒によって罹患率が下がる傾向が見られます。そして、心筋梗塞などの心疾患が死亡率に及ぼす影響はとても大きいのです。つまり先に挙げた少量飲酒によってリスクが上がる疾患より、心疾患などリスクの下がる疾患の影響が大きいために、全体の総死亡率としては、Jカーブのパターンになっているのです」(樋口さん)。このほか、樋口さんによると、(高齢者の)認知機能低下についても、発症するリスクが低くなることが確認されているそうです。

これらの結果をどう解釈して、飲酒をどうしていけばいいのでしょうか。

樋口さんは、「高血圧、脂質異常の持病を持った方、肝機能の数値がおもわしくない方、乳がんに罹患した人が身内にいる方などは、少量飲酒でもリスクが高まるわけですから、通常の方より飲酒量を抑えるように注意したほうがいいのは確かです」と話します。

「とはいえ、飲酒はコミュニケーションツールであり、日常のストレスから解放してくれる楽しみの一つでもあります。例えば高血圧の方が飲酒量を抑えた方がいいのは確かですが、過度に神経質になる必要はありません」(樋口さん)。

お酒を飲んで顔が赤くなる人は注意

次に、アルコールに対する耐性が弱い人、つまりお酒を飲んですぐ顔が赤くなる人はどうなのでしょうか。

「アルコールを飲んで顔が赤くなる人、つまり生まれつきアルコールの分解能力が低い人は注意が必要です。こうした体質の人は飲酒によって食道がんなどのリスクが高まることがわかっています。飲酒量は、飲める人に比べて抑えた方がいいでしょう」(樋口さん)

さらに、樋口さんによると、リスクがより高いのは高齢者なのだそうです。「高齢者はアルコールを分解するスピードが遅く、体内の水分量も少ないため、血中アルコール濃度が高くなりやすいからです。持病を抱えている人が多いですしね。また、飲酒時の転倒リスクも高まります。これが原因で骨折して、寝たきり生活になってしまうというケースも少なくありません」(樋口さん)

こう聞くと、「結局、飲まないに越したことはないのでは…」と思ってしまいますが、樋口さんは「無理に断酒することはない」と話します。飲み過ぎの人は飲む量を減らすことから始めてほしいと話します。

「アルコール健康障害で病院を訪れる患者さんにも同じことが言えるのですが、習慣化している飲酒をいきなり断つことはストレス以外の何ものでもありません。『飲酒をやめなさい』という上から目線の指導は逆効果です。ではどうしたらいいか? それは"無理のない範囲"で量を減らすこと。その量も本人が決めることが大切です」(樋口さん)

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday2018年4月30日付記事を再構成]

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