
物事の始めは手近なところから、という意味で「隗(かい)より始めよ」の言葉があるが、脱・スーツの第一歩は、まず「タイより始めよ」と提言したい。脱・ネクタイは意外とサマになりにくいものだが、コツさえ掴めばカンタン。カギは、シャツの選び方にある。
タイなしが台無しにならない秘訣はシャツ選びにあり
夏季の軽装が解禁されてまず実践することといえば、ネクタイを外した装いだろう。しかし、タイはドレススタイルの柱。それをただ抜いただけでは、服装全体がどこか間の抜けた印象になってしまう危険も大きい。では、正しい「脱・タイ」の方法とは? 最もカンタンなのは、ノータイ用に作られたシャツを揃えることだ。その代表例がワンピースカラーで、胸元から襟先にかけて、自然に立体的なラインが生まれるように設計されている。ノータイをきちんと見せるのが難しい原因は胸元の寂しさにあるが、襟の立体感がそれを解消してくれるというわけだ。
また、丸襟のクレリックシャツも実はノータイでサマになる。2トーンの襟と襟先がアクセントとなり、胸元を寂しく見せないからだ。難しいといわれるノータイも、シャツに注意すれば攻略は容易だ。
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〈ワンピース襟〉
■LUIGI BORRELLI ロールが優雅で立体的な襟元に
台襟と襟羽根が一枚に繋がったワンピースカラー。ボタンを開けた胸元が立体的に見え、襟先は優雅なロールを描くのが特徴だ。通常は第1ボタンが付かないが、こちらはボタン付きのためタイドアップもこなせる特別仕様。3万6000円/ルイジ ボレッリ(バーニーズ ニューヨーク)

■RING JACKET NAPOLI(左) ■FRAY(右)


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