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食の豆知識

緑茶かだしか、具はベーコン? お茶漬けの日に考える

2018/5/9

ベーコンとザーサイを使った筆者オリジナルのお茶漬け

 私には小学生のころから作り続けている、オリジナルのお茶漬けがある。当時大好きだった2大アイテム「ベーコンとザーサイ」を使ったお茶漬けだ。のちに名古屋で経営していた飲食店でも「じろまる茶漬け」としてメニューに載せ、絶大な人気を誇ったものだ。また学生時代に教えてあげた友人宅では「いずみ茶漬け」という名で生き続け、今では彼女の息子さんが「時間がないからお茶漬けでいいや。いずみにしよう」と、自ら台所に立つほどの定番メニューとなっているらしい。

 お茶漬けを日本人が口にしたのは、いったいいつごろからだろうか。一見すると簡単そうなこの質問は、実は一筋縄ではいかない、大変微妙な問題である。というのも、21世紀になった今でも、お茶漬けとは何かという「お茶漬けの最終定理」は証明されておらず、そこが片付かないことには答えも見つからないからだ(厳密には数学ではないが、あえて定理と呼ばせてもらおう)。実際私は過去に「この人とはお茶漬けの定義が違う」とひそかに感じたことが、何度もある。「サラサラっと、お茶漬けでも食べたいですね」「あ~、いいですね~」と意気投合した2人の、脳裏に浮かぶ映像が全く違ったとしても何も驚かない。

 何をもってお茶漬けとするか。

 ご飯に汁をかけることに文句を言う人はいないだろう。汁なしが流行する昨今だが、お茶漬けだけは汁なしというわけにはいかない。ご飯、そして汁は必須アイテムである。だがその汁が問題だ。おそらく「お茶漬けの最終定理」が証明できない、もっとも大きな理由はそこにある。つまり「お茶以外を認めるか否か」が重要な争点となるのだ。

 お「茶」漬けなのだから、お茶をかけるのが当たり前ではないか、それ以外は認めないという人は案外多い。中には「お茶なら何でもいいというわけではない。煎茶以外はだめ」と言い張る強硬派もいる。私の友人の1人がその強硬派だ。彼女は、煎茶が切れているときはお茶漬けを断念するほどの煎茶絶対主義者であり、「ほうじ茶をかけておきながら、平然とお茶漬けと言い張る妹はどうかしている」と主張する。もちろんお茶以外の汁気など、言語道断だ。だし茶漬け派である私が身の危険を感じ、そっと口をつぐんだのは言うまでもない。

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