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商品市況で世界景気先読み、金上昇は地政学リスク警戒 株式・債券運用の参考に

2018/5/6

写真はイメージ=PIXTA

 金や原油といった国際商品は、産業資材であると同時に投資商品の側面もある。運用会社や資源関連企業といったプロの取引が多く、値動きは需要や供給の変動を敏感に織り込む。世界景気をいち早く映し出し、株式など他の金融商品の投資戦略の参考になる。株式や為替などと値動きが異なる場合もあり、運用手段の多様化につながる。商品投資のポイントを整理した。

 国際商品は数カ月や1年といった一定期間後の価格で売買する先物取引が活発だ。米国や欧州、日本の取引所に上場されている。実際にその商品を使う企業が参加し、景気の先行きに基づく需給の変化が価格に表れやすい。

 現在、注目度が高い商品は原油だ。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国が連携し、2017年1月から減産を開始した。原油価格の安定に向け、達成率は高い。

 世界景気の拡大で18年の需要は増加するとの見方が多い。シリアなど中東情勢の緊迫化も買い材料だ。指標となるニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は4月に入り一時1バレル69ドル台まで上昇。昨年の安値から6割戻した。

 注視すべき要素は米国のシェールオイル増産だ。生産ペース次第でだぶつき感が強まりかねない。英バークレイズのマイケル・コーエン氏は、相場が「今年後半に下振れする可能性が高い」とみる。

■分散投資先として有効

 国際商品は株式や債券、為替といった伝統的な運用資産と値動きの関連性が低い特性がある。分散投資で全体の損益が一方向に過度に振れるリスクを和らげることができる。

 貨幣や宝飾品に使う金はその代表だ。希少性が高い金は価値が目減りしにくい「安全資産」とされる。戦争や景気の後退局面で、資金の逃避先に選ばれやすい。株式や米ドルと逆の値動きをすることも多い。

 国際指標のニューヨーク市場の先物は17年以降じりじり上がっている。4月に一時1トロイオンス1350ドルを超え、17年12月につけた安値に比べ1割高くなった。

 18年は米ロ関係の対立が激化するなど、米国がからむ局面の緊迫化が目立つ。金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎氏は「11月に米国の中間選挙を控え、トランプ大統領は支持率回復を狙い外交で強硬策を取りやすい」と話す。

 弱材料もある。米国の金利引き上げだ。金は利息がつかず、市場金利が上昇すると債券などに投資資金が流れやすくなる。米連邦準備理事会(FRB)は今年3回の利上げを見込む。好調な米景気を背景に利上げペースが加速すれば、金の上値を抑えそうだ。

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