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FX金利がじわり上昇 米利上げでドル運用に妙味

2018/5/5

写真はイメージ=PIXTA

 米国の金利が上昇しているのを受けて、金利収入狙いのドル建て投資が注目されています。一つの方法が外国為替証拠金(FX)取引です。金利水準が足元で約1.7%とじわじわ上昇しており、外貨預金に比べて有利です。FXは元手資金(証拠金)を上回る金額で取引するとリスクが膨らみますが、取引倍率を1倍に抑えることで、外貨預金と同様のリスクで高めの金利を得られます。

 FX取引では「スワップポイント」と呼ばれる、2通貨間の金利差に相当する収入を日々受け取ります。円を売って外貨を買った場合、外貨の金利が高いほど受け取る収入は大きくなります。

 金利面で最近注目される通貨がドルです。米連邦準備理事会(FRB)は2015年末以降、政策金利の誘導目標を段階的に引き上げ、現在は1.5~1.75%としています。年内にあと2~3回利上げするとの見方が有力です。

 日銀がマイナス金利政策を維持する結果、日米金利差は広がる一方です。これを反映する形でFX取引で円売り・ドル買いをした場合に受け取る金利水準は大きく上昇しています(グラフ)。

 毎日受け取るスワップポイントを年率に換算すると足元で約1.7%。1年前より0.7%ほど高くなっています。一方、大手銀行が扱うドル建て預金は、1年物定期の例で0.6~1%程度です。

 FXは市場金利の動向を見ながら毎日、金利を見直すのに対して外貨預金の場合、あまり頻繁には金利を変更しません。このため、市場金利の上昇局面では相対的に低い金利が続く傾向があります。

 FX取引は、外貨預金と比べて為替コスト面でも有利です。為替手数料に相当するスプレッド(買値と売値の差)は1ドルあたり0.3銭前後にとどまります。FX会社は外国為替市場で価格の注文を出しており、各社はスプレッドの狭さを競っています。これに対してドル預金の場合、預入時と満期時にそれぞれ為替手数料が1円ずつ、往復で2円かかることもあります。

■取引倍率1倍でリスク抑える

 FX取引で注意すべきは取引倍率です。FXは証拠金を差し入れると、最高でその25倍にあたる金額で取引することが可能です。外貨を買った後、予想に反して円高が進めば、取引額が大きいほど為替差損は膨らみ、追加で証拠金を入れる必要も出てきます。

 それを避けるには取引倍率を低く抑えることが大切です。証拠金を例えば30万円差し入れると制度上は最高750万円分の取引が可能です。しかし倍率を1倍、つまり30万円に限って外貨を買うようにすれば、過大な為替変動リスクを負わないで済みます。

 FX取引と外貨預金では課税方式も異なります。FXのスワップポイントと為替差益はともに「先物取引に係る雑所得等」に分類され、税率約20%の申告分離課税です。日経平均先物など同じ分類の所得との間で損益通算が可能です。外貨預金は利息から約20%が源泉徴収され、為替差益は雑所得として総合課税の対象となります。FX取引は金利上昇や低コストの恩恵を受けられますが、取引倍率や税金の仕組みについてよく理解しておくことが重要です。

[日本経済新聞朝刊2018年4月28日付]

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