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現役最長老はあのゲーム? ファミコン起源、今や競技

2018/5/14 日本経済新聞 夕刊

 1983年登場のファミリーコンピュータで拡大したゲーム市場。30年以上にわたり、人気ハードが替わるたびに進化を遂げてきた、定番タイトルの軌跡を振り返ってみたい。

「スーパーマリオ オデッセイ」 シリーズ最新作はNintendo Switchで登場。新たなアクション「帽子投げ」で敵を倒したり、乗り移ることができる(任天堂/5980円)

 国内の人気ゲームシリーズで、今も新作のリリースが続く現役最長老タイトルは歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」だ。パソコン用として登場した同作は、好きな武将を操り、腰を据えてじっくりと戦略を練る醍醐味で、現在まで続く歴史シミュレーションゲームの礎となった。

 アーケードゲームとパソコンが主流だったゲーム市場を大きく変えたのが、ファミリーコンピュータだ。85年9月発売の「スーパーマリオブラザーズ」は地底や空、水中など様々なステージを舞台にした、アーケードゲームと遜色ないアクション性で、ゲームファンの心をつかんだ。

 ファミリーコンピュータの人気を決定づけたのが「ゼルダの伝説」(86年2月発売)と「ドラゴンクエスト」(86年5月発売)。高価なパソコンでしか楽しめなかったロールプレイングゲームを、低価格なファミリーコンピュータで、子どもでも楽しめるように分かりやすく再構築。敵との戦闘を重ねて主人公を成長させ、数々の謎を解きながら重厚長大な物語を進めるプレースタイルは幅広い層に支持され、「ファイナルファンタジー」などの人気シリーズが多数誕生した。

 また、携帯型ゲーム機ならではの楽しみ方を生み出したのが、ゲームボーイ用の「ポケットモンスター赤・緑」(96年2月発売)。ポケモンの収集と、ポケモンを他プレーヤーと交換する楽しさを新たに提示した。

 ゲームハードは次々と移り変わっていくが、人気定番タイトルはその変化に柔軟に対応し進化を遂げている。「ファイナルファンタジー」は「VI」までは任天堂のゲーム機向けだったが、「VII」(97年1月発売)で大容量データを記録できるCD―ROMを搭載したソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)のゲーム機・プレイステーション向けに変更。映画に匹敵するハイクオリティーCGムービーは同シリーズならではの強みとなった。

 さらにゲーム機がインターネットに対応すると、いち早く「XI」(2002年5月発売)をオンライン専用ロールプレイングゲームとしてリリース。1人で楽しむものだったロールプレイングゲームに、ネット経由で多くのプレーヤーと同じ世界を一緒に冒険する楽しみ方を生み出した。

■両国国技館で「eスポーツ」

 「ポケモン」もゲームを持ち歩く楽しさを発展させている。16年7月にはスマートフォン用の「ポケモンGO」で全地球測位システム(GPS)による位置情報と、拡張現実(AR)技術を活用し、現実世界でポケモンを収集する斬新なゲーム性を提案した。

 他のプレーヤーとの「対戦」の手法もハードや技術の進化によって変化している。87年に誕生した「ストリートファイター」シリーズは、「II」(91年2月)でプレーヤー同士が試合を行う対戦の要素をプラス。両国国技館で全国大会を催すまでの社会現象へと発展した。

 その後、ゲーム機の性能が高まり、高速ネット環境も普及したことで対戦の場は家庭用ゲーム機に移行。腕の立つプレーヤー同士の白熱した戦いは無料動画サイトの人気コンテンツとなった。対戦プレーを観賞する文化は「eスポーツ」に発展。「ストリートファイター」シリーズをはじめとした対戦ゲームは競技種目として評価されるまでになっている。

(日経エンタテインメント!4月号から再構成 文・佐久間亮介)

[日本経済新聞夕刊2018年4月28日付]

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