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クラフトジン百花絢爛 香りの自由度は無限大

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NIKKEI STYLE

クラフトビール、クラフトウイスキー、クラフトチーズ……日本でも定着しつつある「クラフト」ブーム。近年注目されているのが、クラフトジンだ。ジンはもともとオランダで薬用酒として開発された度数の高いお酒。ベースのスピリッツをボタニカルと呼ばれるさまざまな薬草で香りづけをするのが特徴だ。

メインのボタニカルとして使われるのは、ジュニパーベリー(ねずの実)。薬効が高いと考えられており、当時熱病対策として用いられた。最終的なフレーバーを大きく左右するのはこの香りづけのレシピで、コリアンダー、植物の根やかんきつのピール等もよく使われる。

実は「クラフトジン」という言葉の定義は定まっていないが、「クラフト(工芸品・技巧)」という言葉のとおり、原料や産地に特色があり、こだわりをもって少量生産で造られたプレミアムジンを指すことが多い。今回取材した「リカーマウンテン銀座777」では、約200種類のジンのうち7~8割をクラフトジンが占める。その中から、特に今人気のクラフトジンを紹介しよう。

日本のクラフトジンのパイオニア

日本でもクラフトジンが注目されたきっかけの一つが、2016年に京都蒸留所が国内初のジン「季の美」を発売したことだ。店長の新美さんは当初、「5000円の日本のジンなんて、売れるのだろうか」と心配したというが、瞬く間にブレイクし、和製ジンが増えるきっかけになった。店内には約20種類のジャパニーズジンがそろうが、「季の美」はお店の売れ筋トップをキープし、海外の客にも人気だという。

「季の美」の特徴は、ジンに「日本らしさ」をふんだんに盛り込んでいる点だ。通常ジンではベーススピリッツに大麦などの穀物を使用することが多いが、「季の美」では米から作ったベーススピリッツを使い、それをユズ、サンショウ、玉露、ヒノキ等の和のボタニカルで香りづけする。アルコール度数を調整するために工程の最後にブレンドする水も品質を大きく左右するが、「季の美」では京都伏見の名水を使用しているのも大きな特徴だ。試飲させてもらうと、爽やかなかんきつがはっきりと感じられ、口当たりは通常のドライジンよりも柔らか。これならジンに慣れていない女性にも好まれそう。はんなりとした京都らしさを感じるジンだ。

限定3000本の限定品「ネイビーストレングス」は、アルコール54.5%と度数が高い。筆者にはかなりアルコールが強く感じられたが、ウイスキーなど高い度数のお酒に慣れた人にはパンチが効いている方がいいのかもしれない。ジントニックにしてもおいしいそうだ。

▼季の美 京都ドライジン、5000円(税抜き)
▼季の美 ネイビーストレングス ALLGINボトル、6000円(税抜き)限定3000本

ブームの火付け役「シップスミス」「モンキー」

ジンの歴史は17世紀の英国に遡る。当時のはやりは甘口で、カクテル「トム・コリンズ」の原料としてカクテル名の由来にもなった「オールド・トム・ジン」が人気を博した。その後、キレのある辛口の「ロンドンドライジン」(※)が台頭しイギリスの国民酒とみなされるまでに。クリアで軽い風味を持つドライジンは「ジンライム」「ジンフィズ」などカクテルのベースとしても重宝される。

※蒸留後に砂糖や添加物を加えない規定の製法によるジンで、ロンドンに限らず世界中で製造できる

創業2009年のロンドンドライジン 「シップスミス」は、世界的なクラフトジンブームの先駆け的存在だ。それまで日本でジンといえば、「ビーフイーター」「ボンベイサファイア」「ゴードン」「タンカレー」といったロンドンドライジンの大手の銘柄がほとんどだったため、「シップスミス」がクラフトジンとして日本に入ってきたとき、当時バーで働いていた新美さんも衝撃を受けたという。

試飲してみると、白い花のようなフローラルな香りがフェミニンな印象。高いアルコール度数のお酒に感じるピリッとするアルコール感も少なく口当たりはあくまでスムーズで、初心者にも受け入れられやすいだろう。ボトルの裏を見てみると、「hand crafted in small batches(スモールバッチで手造り)」という文言と、バッチナンバーが書いてある。クラフトジンに共通するのが「スモールバッチ」、1度の生産量が少ないという点だ。「シップスミス」の場合は、1バッチあたり200本のみ。公式サイトの「Your Batch」というコーナーでは、バッチナンバーを入力すると、瓶詰めされた年月日と蒸留所であった出来事を知ることができる。ちなみに筆者が試飲したバッチナンバー「LDG/01008」で調べてみると、瓶詰めされた2017年10月2日は、蒸留所のロブさんの誕生日をケーキでお祝いしたとあった。

もう一つ、世界のクラフトジンブームをけん引してきたのが、ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)発の「「モンキー47 ドライジン」だ。その地域でとれる「47」種類ものボタニカルと、天然の湧き水をブレンドに使用した「47」度のプレミアムジンで、猿のラベルも茶目っ気たっぷり。フレーバーの鍵を握るといわれるのはクランベリー。香水のように華やかな香りが心地よい、「黒い森」の息吹を存分に感じるジンだ。

▼シップスミス ロンドンドライジン、オープン価格
▼モンキー47 ドライ・ジン、6300円(税抜き)

高いがおいしい、フォレストジン

ジン売り場を見回すと、美しいデザインのボトルが多いことに気がつく。中でもひときわ存在感を放っていたのが、陶器製のボトルが芸術的な「フォレストジン」だ。7900円というプレミアムな価格に一瞬ひるんだが、店ではかなりの人気商品で、「このジンが飲めるバー、知りませんか?」というお客さんもいるほど。

英国中部のマックルズフィールドにある蒸留所は、家族経営で生産量もごくわずか。ボトル一本一本にペーパーカットアートのデザインを手作業で印刷している。中身も超一級品で、原料はすべてオーガニックの原料をスモールバッチで蒸留し、最後に天然の軟水とブレンドして仕上げる。ボトルの背面に書かれたバッチナンバーも手書きで、職人の手作業をボトルそのものから感じられる、こだわりの塊のような一本だ。スタンダードのほか、アールグレイを漬け込んだバージョンもあり、こちらはほんのり紅茶色。しっかりアールグレイが香り、英国の高貴なティー文化を背景に感じた。

▼フォレストジン、7900円(税抜き)
▼フォレストジン アールグレイ、8500円(税抜き)

ブドウ、りんご、原料にも個性光る

冒頭で紹介した「季の美」のベースにお米が使用されていたように、少量生産、プレミアム価格に加え、産地や原料の個性がはっきりしていることが、クラフトジンの特徴といえる。例えば「 ル・ジン クリスチャン・ドルーアン」は、ベースに約30種類ものリンゴが使われている。もともとリンゴの蒸留酒・カルヴァドスを製造する仏ノルマンディー地方の名門クリスチャン・ドルーアンが、得意のリンゴの技術をジンに応用した。フレーバーにもこだわりがあり、アーモンドやバラなど8 つのアロマをそれぞれ別々に漬け込んで個々に蒸留したのち、ブレンドする。個別に蒸留するぶん手間はかかるが、それにより各アロマの繊細なフレーバーが引き立つのだ。

ほんのりと甘いリンゴのアロマにうっとりとする、爽やかな春の香水のようなジンだ。ろうで封された洗練されたボトルは、お店や部屋に置いておくだけでインテリアの一部になってくれそうなセンスの光る一本だ。

▼ル・ジン クリスチャン・ドルーアン、4800円(税抜き)

白ぶどう品種のアルバリーニョをベースに使った珍しいジンもある。アルバリーニョは、ポルトガルにほど近いスペインのガリシア地方で多く栽培される品種。最近では日本の新潟でも栽培されているが、花のような香りを持つ爽やかな白ワインを生む。

「ノルデス ガリシアン ジン」は、まさに海辺が似合う夏のジンといえそうだ。原料はすべてガリシア産で、15種類のボタニカルの中にはハイビスカスや海藻、紅茶といった珍しいものも使われている。「香りがものすごく華やかで、一般的なドライジンとは全く違ったイメージで楽しめる」(新美さん)というように、フレーバーを重視するワイン好きにもおすすめだ。

▼ノルデス ガリシアン ジン、3900円(税抜き)

ふだんはワイン党の筆者。今回試飲したクラフトジンには、フレーバーの繊細さと多様な個性にワインと共通する魅力を感じた。さらに開けた後、日持ちするのがスピリッツの嬉しいところ。ジンが似合う爽やかな季節、弾ける個性が楽しいクラフトジンの世界をのぞいてみてはいかがだろうか。

取材協力:リカーマウンテン

水上彩
 シャンパンと日本ワインを愛するライター。ワイン愛が高じて通信業界からワイン業界に転身した。最近は、毎日着物生活をめざして「きものでワイン」の日々を送っている。ワインの国際資格WSETのDiploma取得に挑戦中。

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