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冷やしても温めても旬 トマトのうま味は塩で引き出す

魅惑のソルトワールド(16)

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NIKKEI STYLE

タイトルを見て、「まだ夏じゃないのにトマト?」と思われた方もいるかもしれません。だがしかし! 「夏の野菜」のイメージが強いトマトですが、実は最もおいしい旬の時期は今。そう、春なのです。

もともとトマトは、成育するのに強い日差しが必要な一方で、高温多湿に弱く、比較的涼しい気候を好むという、なんだかちょっとワガママな野菜です。そのため、多湿になる梅雨時期、そして高温になる夏になると、元気がなくなり味が落ちやすくなります。ハウス栽培の場合は諸条件をコントロールできるのですが、露地栽培の場合はトマト本来の性質を考えると、春から初夏、もしくは秋ごろが最もおいしい時期と考えられます。そう、だから今こそトマトの旬なのです。

マヨネーズをつけたり、ドレッシングをかけたり、色々な食べ方がありますが、旬を迎えた食材というのは、その食べ物の栄養価もおいしさも一番高い状態ですので、まずは塩だけでその食材本来の味わいを楽しんでもらいたいものです。そこで今回は、旬を迎えたトマトをさらにおいしくしてくれる塩と調理法をご紹介していきます。

なお、一口にトマトといっても、色で分類すればピンク系、赤系、緑系などに分けることができます。近年では特に開発も輸入も盛んになり、多くの品種を目にするようになりました。実は日本だけでも約120品種ものトマトが生産されており、形や大きさ、色、栄養価、味など、その特徴は千差万別です。今回は、多くのスーパーマーケットで取り扱っている、私たちになじみ深いピンク系の「桃太郎」を題材に選びました。

さて、トマトを塩だけで食べる時におすすめの食べ方が2つあります。

1つは代表メニューと言っても過言ではない「冷やしトマト」です。気温も温かくなってきた春のこの時期、ほどよく冷やしたトマトを好きな形にカットして、ぱらりと塩をかけて、がぶりとかぶりつく。ほとばしるトマトのフレッシュな香りとジューシーな果汁、そして口いっぱいに広がるうま味がたまりませんね。居酒屋でも、枝豆と並んで「とりあえず頼んでしまうメニュー」にランクインしていることでしょう。

そしてもう1つは「グリルド(またはソテード)トマト」。つまり、グリルやソテーで焼くなどして加熱したトマトです。世界的にはメジャーなのに、日本ではあまりなじみがありません。食べたことがない方は、「トマトソース以外でトマトに火を通すの?」と思うかもしれませんが、加熱したトマトはフレッシュなまま食べるのとは異なるおいしさで、一度ハマるとやみつきになること請け合いです。

まず、冷やしトマトに合うのはどんな塩なのか。

私は基本的には、トマトの生産地と同じエリアで作られた海水塩をおすすめします。なぜなら、トマトなどの水分の多い野菜はその土地の水を吸収し身に蓄えながら育つので、できるだけ同じ産地の塩を選ぶとなじみがよく、同化して相乗効果を発揮してくれるからです。

また、トマトのどの味を引き立たせたいかによっても、選ぶ塩が変わってきます。

トマトにはうま味のもとのグルタミン酸が豊富に含まれています。それをさらに強く感じたい時は塩もマグネシウムを多めに含んだうま味の強いタイプを選びます。例えば、石川県輪島市の「わじまの海塩」などがおすすめです。まるでセミドライにしたかのようにトマトのうま味が凝縮され、濃厚な味わいに変化します。

トマトの酸味を際立たせて爽やかに食べたい時は、塩はカリウムを多く含んだ少し酸味のあるタイプを選びます。たとえば、福岡県糸島市の「またいちの塩」などがおすすめ。爽やかな酸味のおかげで、すっきりとしたうま味で楽しむことができます。最近、流通量が多い、うま味みがこってりした傾向のトマトが苦手、といった方にお薦めです。

そしてトマトの甘味を楽しみたい時は、ナトリウムが多めのしょっぱさの強い塩をごく少量かけてください。対比効果で甘味がぐんと引き立ちます。「精製塩」やフランスの「ロレーヌ岩塩」などが良いでしょう。

最後に、トマトのフレッシュな香りを楽しみたい時はナトリウムやマグネシウム、カリウムなどがほどよく含まれた塩がお薦め。沖縄県の「青い海」を使うと、トマト畑の香りがよみがえります。

どの場合でも共通するのは、塩を振りかけてすぐに食べないこと。塩はできるだけ果肉の部分にかけて、果肉の水分で溶けるのを待って、なじませてから食べることです。そうすることで、引き出されるトマトの味わいが分かりやすくなります。

次に、トマトを加熱して食べる場合です。日本はトマトを生食することが多く、トマトソースのように液状にする場合を除いてあまり加熱することがないようですが、海外では非常にメジャーな食べ方です。グリルしたりソテーしたり、パン粉焼きにしたり。中華料理では卵とトマトのいため物などもあります。

トマトに火を通すことで、水分が飛んでうま味が凝縮されるほか、食感も軟らかくなるので、「トマトの皮の食感があんまり好きじゃない」という人にはうってつけの食べ方です。また、リコピンの吸収率が格段にアップします。そして、オイルをかけると、さらに吸収率がアップします。

今回は、「グリルドトマト」を作ってみました。作り方はとても簡単。アルミホイルの上に横半分にカットしたトマトを並べて、トースターやグリルで焼くだけ。串切りや輪切りにすると果肉部分が崩れやすいので要注意です。プチトマトの場合は、串に刺すと扱いやすくなります。焼き具合はお好みですが、トマトの皮が少し焦げて、全体がしんなりするくらいがおすすめです。塩を振りかけて食べます。

塩の選び方はフレッシュなトマトの場合と基本的に同じです。ただ、加熱したトマトの場合、味が凝縮されてより濃厚になっており、加熱で酸味が弱くなっているので、うま味の強いタイプの塩でさらにうま味を倍増させるか、しょっぱさの強い塩で甘味を引き出すのがおすすめです。また、加熱したトマトはかんだ時に果汁がぶわっと口いっぱいに広がるので、塩をふりかけてすぐに食べてしまっても構いません。果汁で溶けやすいように、粒は少し小さめがよいでしょう。

2つの「トマト+塩」の食べ方をご紹介しましたが、実はあと1つ、ぜひ試してほしい食べ方があります。それが「フライドトマト」です。「え?」と驚かれるかもしれませんが、串揚げのお店では定番の人気メニューですし、イタリアンレストランなどでも提供されることがあります。

家で調理する時は大きなトマトだと扱いが大変なので、プチトマトを使うのが良いでしょう。

作り方はトマトに小麦粉をはたいて、卵、パン粉をつけて油で揚げるだけです。サクッとした衣の食感を追いかけるように、衣の中でおいしく蒸しあがったトマトのアツアツの果汁がじゅわっと口いっぱいに広がり、油っこさを洗い流しつつ、心地よいうま味が舌をくすぐり、トマトの香りが鼻に抜けます。

フライドトマトは上記2つの食べ方に比べて油分が非常に多いので、選ぶ塩も変わってきます。私のおすすめは酸味があって、しょっぱさの強い塩。しょっぱさと酸味が衣の油っこさをさっぱりとさせ、中のトマトの甘味を引きだしてくれます。たとえば、沖縄県産の「あっちゃんの紅塩」などがおすすめです。

旬を迎えるトマトを塩で食べる。とてもシンプルなことですが、調理法と選ぶ塩によって、引き出されるトマトの味わいがまったく変わってきます。ぜひ、色々な調理法と塩を試して、好みの調理法や塩の組み合わせを探してみてください。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)

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