「僕の人生は売り子」 カルビー会長退く松本氏の今後

僕は中継ぎ、抑えは決められない

実績を上げ続け、ダイバーシティー(多様性)の重要性を各方面で語ってきた松本氏だが、3月27日、突然、会長職の退任を発表した。カルビーの株価は下落。「プロ経営者」の退場を惜しむ声が次々にあがった。しかし、「僕が退任して喜んでいる人のほうが多い。ポストは限りがあるからね。誰もが社長になれるわけじゃない。組織というのは、そういうものだよ」と静かに話した。「過去を振り返るのはよくないけど、9年は長すぎたね」とも。

今後どうするかは周りが決めることと話す松本氏

後継者は? そう尋ねると、「僕は雇われ経営者だよ。(野球でいえば)中継ぎ投手。中継ぎが抑えの投手を決めるなんておかしいでしょう」と返ってきた。9年間も会長職についたことも、「創業者なら死ぬまでやればいいと思う。しかし、僕ら(のような雇われ経営者)には限りがある」という持論に反した、という思いのようだ。

とはいえ、「プロ経営者」で「売り子の天才」。どこの企業も欲しいはずだ。セカンドキャリアはどう考えているのか。「僕はもうサードキャリアかもしれないけど(笑)、僕が決めることじゃない。周りが決めること」。これは、松本氏が伊藤忠商事をやめたときから変わらない考え方だ。「実績があれば、周りは見ている」。声をかけてもらって、縁があればと、70歳を過ぎてもその姿勢は変わらない。

松本氏は、経営者としての顔だけでなく、理事長を務める「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会」をはじめとする非営利組織や大学機関など、「20枚以上の名刺」を持っている。今後はカルビーのシニアチェアマンとして働き方改革やダイバーシティーの重要性を社内外に広く伝えていくという。多くの人が「2枚目の名刺」を持つ時代の先陣を切っているのだ。そのキャリアは、「人生100年時代」を生きる若い世代の道しるべにもなるに違いない。

(松本千恵)

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら