1日5分の「速トレ+スロトレ」 これぞ最強の筋トレ術
最短で筋肉が鍛えられる自重筋トレ(1)
筋肉を鍛えたほうがいいのはわかるが、ジムに行く時間が取れない……と言い訳してはいないだろうか。月に200セッション以上のパーソナルトレーニングを行うトレーナーの比嘉一雄氏は「器具を使う必要はなし。自分の体重を使う自重トレーニングを、1日5分行うだけで鍛えられる」と断言する。
筋肉を鍛えるには、大きく2つのメカニズムがある。重いものを持ち上げるときなどに力学的に筋線維を損傷させる「メカニカルストレス」。もう一つが、筋肉合成を促すホルモンを分泌させる「ケミカルストレス」。この両方をうまく使うことが、最も効率のいい筋トレだという。
メカニカルストレスを高めるにはバーベルの代わりに、できるだけ速くトレーニングを行う。加速度がかかった状態で筋肉にブレーキをかけて切り返すので筋線維が傷つく。逆にゆっくり動かし続けると、筋肉の血流が制限されて酸欠状態になる。乳酸がたまるなどの変化が起き、これが成長ホルモン分泌を促す。つまり「速い」「ゆっくり」の両方を組み合わせるのが、最も効率のいい筋トレというわけだ。
筋トレ初心者が優先して鍛えるべきは、筋肉量を増やしやすい大きな筋肉だ。大きな筋肉が集まる「胸」「腹」「背中」「腕」「脚」「尻」の6部位についてトレーニング方法を教えてもらう(次回以降、順に紹介の予定)。重要なのは、いずれも限界と感じるまで、筋肉をしっかり追い込むこと。習慣にすれば、体の内も外も変化を感じることができるだろう。
(イラスト 内山弘隆)
第2回 さよなら下腹ぽっこり 美姿勢にもつながる「腹トレ」
第3回 夏に映える胸に たくましい上半身の作り方
第4回 広い背中は男の象徴 タオル筋トレで肩こりも解消
第5回 ダンベル不要 屈強な腕まわりはタオルだけで作れる
第6回 大きな筋肉が集中 脚の筋トレで全身パワーアップ
第7回 スリムパンツをカッコよく 尻を鍛えるスクワット
CALADA LAB.代表。1983年福岡県生まれ。早稲田大学スポーツ科学部卒業後、東京大学大学院に進学。石井直方氏の下で、研究と現場を両方知るトレーナーとして活動を開始。科学的根拠に基づく「えびすメソッド」を考案した。『自重筋トレ 100の基本』(エイ出版社)など著書多数。
[日経トレンディ2018年4月号特別付録記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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