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インデックス投信、「安物買い」しないための注意点 QUICK資産運用研究所 北澤千秋

2018/4/25

インデックス型は選び方が簡単で、資産運用の初心者にも相対的にハードルが低い。だが、インデックス投資を始める際にはコスト以前に留意しなければならない点がある。それを忘れると、ただの「安物買い」になりかねない。

■リターンもリスクも指数並み

まず知っておきたいのは、インデックス投資は指数並みのリターンの獲得が期待できる一方で、指数と同じだけのリスクを負わなければならない点だ。

例えば、価格変動の大きな国内外の株式やREIT(不動産投信)、現地通貨建ての新興国債券などで運用するインデックス型は、投信の基準価格も大きくぶれる。つみたてNISAやiDeCoを使って10年、20年と運用するなら気にする必要はないかもしれないが、金融資産を取り崩す時期が間近な退職世代や、リスク許容度の低い人などは慎重に考えるべきだ。資産運用ではファンド選びの前に、運用期間や自身のリスク許容度に合わせて投資対象とする資産を検討するのが先決だ。

吉井氏は「インデックス型でもその時々の市場環境も知ったうえで投資した方がいい」とアドバイスする。

吉井氏が足元で気になるというのは先進国債券。長く続いた金利低下の影響で、指数に組み入れている債券の残存期間は長期化し、金利感応度は高まっている。このため、先進国債券で運用する投信は、金利が上昇する(債券価格は下落する)局面では、大きな損失が生じる恐れが強い。それを承知で買うか、知らずに買うかでは、基準価格が下がったときの受け止め方が違ってくる。先進国債券の投信なら、組み入れ銘柄の平均残存年数が短いアクティブ型を買うという選択肢もある。

■赤字覚悟、長期的には淘汰・寡占化が進む

根強く流布する「コスト安のインデックス型投信はアクティブ型より運用成績がいい」という説も、多種多様なアクティブ型をひとくくりにした一面的な見方だ。日本株投信の場合、中小型株を中心に運用するファンドには、インデックス型を上回る成績を上げるものが数多くある。リスクを許容できるなら、中小型株投信で高いリターンを狙うという手がある。

インデックス型の安売り競争を続ける投信業界だが、価格以外に訴求ポイントはなく、多くの運用会社で低コストのインデックス型は赤字覚悟の「特売商品」になっている。コモディティー商品である以上、5年、10年後には淘汰・寡占化が進んでいるだろう。「運用業界衰えてインデックス型あり」という状況になれば、それは決して投資家のためにならない。

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