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住み続けながら家をお金に換える リースバックが登場 契約は有期、更新できないことも

2018/4/24

写真はイメージ=PIXTA

 老後資金が足りないのではという不安があり、自宅をお金に換えられる手法に関心があります。どのような手法があり、それぞれ注意点は何でしょうか。

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 住宅をお金に換える方法としては、住宅を担保にお金を借りる「リバースモーゲージ」が有名だが、最近「セール・アンド・リースバック」という手法が登場し、実績を伸ばしている。

 持ち家を不動産会社に売り、同時にその不動産会社と賃貸借契約を結んで住み続ける方法だ。生活環境を変えずにまとまったお金を手にできる代わりに、毎月の家賃を支払わなくてはならない。あらかじめ決められた価格で買い戻せる条件が付いていることもある。

 東証1部上場のハウスドゥが積極的に手がけており、同社によると2018年6月期の買い取り物件数は前期比5割増の436件に上る見通しだ。三大都市圏のベッドタウンの一戸建てが多い。実勢価格の約70%で買い取るといい、平均価格は1460万円。この6~11%が年間家賃となる。

 同社商品「ハウス・リースバック」の利用者の平均年齢は65歳。バブル期に高値でマイホームを買った世代で住宅ローンの負担が重く、老後資金が十分でない人が多い。子どもに相続させる必要がない家なら、お金に換えたいというニーズが大きい。

 ハウスドゥの場合、当面は使う予定のないお金を同社に預けると家賃が下がる。例えば買い取り価格1500万円の家の家賃はおおむね月11万~13万円だが、500万円の保証金を入れると同7万6000~9万円になる。「賃貸住宅に引っ越すよりも費用を抑えられる」(同社の冨永正英・執行役員)という。

 ただし、同社を含めリースバックの契約は3年、5年などの期限がある「定期賃貸借」が多く、住み続けられる保証はない。不動産会社の事情で契約が更新されないことがあり得る。

 契約更新できても、おおむね十数年たつと累計支払い家賃が買い取り価格を上回る。ニッセイ基礎研究所の佐久間誠研究員は「すでに80歳前後の人や、いずれ子どもと同居して世話になる人などを除き、この方法で老後資金の問題を根本的に解決するのは難しい」と指摘する。

 一方、金融機関が扱うリバースモーゲージは不動産担保融資のひとつで、生前に元本を返す必要はなく、死後に家を売却して一括返済するのが特徴だ。これなら家賃を払う必要はなく、ずっと住み続けられる。

 東京スター銀行のリバースモーゲージ「充実人生」は3月末で約8300件の契約がある。住宅ローンの残債を充実人生に借り換えて生前の元本返済をやめる人が少なくない。

 ただし、金融機関は担保に取った土地の価格が下がるリスクを数十年にわたって負うため、一般に担保評価額の5~6割までしか融資しない。マンションはリバースモーゲージの対象外にする金融機関も多い。

[日本経済新聞朝刊2018年4月21日付]

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