完全無線イヤホン 音質か操作性か、世代で違うベスト「年の差30」最新AV機器探訪

小沼 満員電車に乗るときもケーブルの心配をしなくていいですし、家の中で少しスマホを置いて行動できるのが便利です。アルバムがあと1、2曲で聴き終わるというタイミングで家に着いてしまっても、イヤホンをつけたままシャツを脱いで部屋着に着替えられるのも楽ですね(笑)。

小原 そこまでして聴き続けますか(笑)。ネックバンドタイプなど、左右がつながっているBluetoothイヤホンと比較するとどうです?

小沼 左右のペアリングが途切れる心配がないのはうれしいですが、全般的な使い勝手は完全ワイヤレスのほうが楽ではないでしょうか。ランニングなどスポーツをするときは特にそうですし、持ち運びもスマートです。

小原 完全ワイヤレスは小さすぎて、装着時に落としてしまわないか不安になることがあるんだよなあ。若者からすると格好良いのはわかるけど、僕くらいの年齢になると、ここまでの小ささは必要ないとも思う。

小沼 実際に落としたことはなく、落とした例を聞いたこともないですが、装着時は少しだけ気をつけているかもしれません。安心感では、ネックバンドタイプにも需要がありそうですね。

こうして写真を並べると、完全ワイヤレスイヤホンといっても形はそれぞれ特徴があることがわかる

音質、ペアリングには改善の余地あり

小沼 小原さんにとって、完全ワイヤレスは「使いたい」と思える製品ですか?

小原 気軽に外出するときなど、選択肢の一つには入ってきていますね。ただ、まだ高音質のコーデックには対応していませんし、ペアリングが途切れるというのもネックです。この点が改善されてきたら、自分としても主力になってくると思います。

小沼 ハイレゾ音源に対応している製品もまだほとんどないですしね。ペアリングの安定度合いは製品によってばらつきがあるとも感じます。

小原 ペアリングの技術は外注することが多く、自社で改善するのが難しいという話をメーカーから聞きました。そのメーカーも完全ワイヤレスイヤホンを出しているんだけど、ペアリングに苦戦して、しばらくは次回作を出さないと言っていました。

小沼 完全ワイヤレスは先駆けのEARINでもつい最近2作目を出したばかり。どこもまだ手探りなのかもしれませんね。

◇ ◇ ◇

事前に別の機種を選ぼうと打ち合わせたわけではないが、小沼は操作性や製品の完成度、小原氏は音質という観点から評価したことで、それぞれ異なる製品を選ぶことになった。ただ完全ワイヤレスイヤホンが魅力的な可能性を持つという点では一致している。大手メーカーでもまだ1作目を出してから日が浅く、需要が高まるにつれ、趣向を凝らした製品が登場してくるだろう。引き続き、今後の動向に注目したい。

小原さん(左)と小沼さん
小原由夫
1964年生まれのオーディオ・ビジュアル評論家。自宅の30畳の視聴室に200インチのスクリーンを設置する一方で、6000枚以上のレコードを所持、アナログオーディオ再生にもこだわる。現在メインで使っているイヤホンは「FitEar Air2」(須山補聴器)。最近のヘビーローテーションは『シェイプ・オブ・ウォーター(オリジナル・サウンドトラック)』。
小沼理
1992年生まれのライター・編集者。最近はSpotifyのプレイリストで新しい音楽を探し、Apple Musicで気に入ったアーティストを聴く二刀流。最近のヘビーローテーションは『Geography』(トム・ミッシュ)。
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