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ユニ・チャームの高原豪久社長

ユニ・チャームの高原豪久社長

国内はもとより、アジアの紙おむつ・生理用品市場で高いシェアを握り、成長を続けているユニ・チャーム。かじを取るのは、就任から18年目を迎える高原豪久社長だ。「トップをこれだけ長くやっていても、『この程度でいいや』なんて思ったことは一度もないし、マンネリになっている暇などない」という同氏は、人づくりに関しても、さまざまな試行錯誤を重ねてきた。

文面は一人ひとりオリジナル「成長のきっかけになれば」

――朝6時半に出社し、最初にする仕事が、その日に誕生日を迎える社員へのメールだそうですね。

「一日の中で一番気持ちが落ち着き、頭のさえている時間を、一番大切な存在である社員に使おうと考えて、社長就任時から始めました。出張などでどうしても無理なときは数日遅れになることもありますが、普段は毎日書きます。もう通算で1万6千通くらいになりますね。朝、都合がつかずに夜中に送信したり、その人と私しか知らない話題を入れたりするので、はじめは秘書が代行していると思っていた人も『これは社長本人がやっている』と気づくようです」

「文面は一人ひとり違います。異動歴などのキャリアはもちろん、これまでに直接交わした会話やメールの内容などを思い返し、その人のことを思い浮かべながら書くんです。1人あたり10分くらい。誕生日の社員は一日平均4人ぐらいなので、最低40分はかかります」

「受け取った社員の9割は返事をくれますが、中には返してこない人もいます。だいたい同じ人なので、今回も返事は来ないだろうなと思いつつ、こちらは毎年出します。すると、思いが通じるのか、ある年から突然返信してくる人もいます。そんなときはやっぱりうれしいですね」

――どういう返信が多いのですか。

「大抵は当たり障りのない感謝から始まって、『頑張ります』みたいなことで終わるのですが、2割くらいの社員は、会社や職場の問題点を指摘してくれたり、自分なりのアイデアを書いてくれたりします。メールは一対一だし、面と向かっては言えないことも伝えやすいのでしょうね。『昨年はこういう目標だったけど、達成できませんでした』といった反省の弁を述べる人もいるし、『今度結婚します』とか『2人目の子どもが生まれました』といったプライベートな近況報告もあります。メールは全部保存しているので、見返すと社員の成長ぶりも確認できるんです」

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