『ジャンクSPORTS』 東京五輪に向け8年ぶり復活
フジテレビ系で2000年から10年続いたスポーツバラエティー『ジャンクSPORTS』が8年ぶりに復活し、1月からレギュラー放送が始まった。ダウンタウンの浜田雅功がMCを務め、一流アスリートたちのクロストークが展開される。一番の魅力は、アスリートの競技中とは違う人間味のある意外な素顔が見られるところだ。
再びレギュラー番組となったきっかけについて、『ダウンタウンなう』も担当するチーフプロデューサーの蜜谷浩弥氏は「何気ない浜田さんとの会話」と明かす。「浜田さんがアスリートの方々に、『ジャンク、またやらないんですか』とよく言われていたそうなんです。20年の東京五輪に向けて、スポーツ界は間違いなく盛り上がってくるでしょうし、何かを返したいという浜田さんの愛情も感じたので、提案しました」
以前はスポーツ局の番組だったが、今回はバラエティーチームにスポーツ局のスタッフが加わって、一緒に制作している。蜜谷氏自身、学生のときから見ていた番組であり、違和感のないように、内容を大きくは変えていない。「ただ、以前はテーマを番組側が設定していましたが、より熱のあるトークになるように、各アスリートが一番しゃべりたいことを話してもらうことにしました。事前の打ち合わせでは、どこに熱があるのかを探るようにしています」
これまでの収録で感じたのは、人とは違う努力を当たり前のようにしてきたアスリートたちの話には、独特の面白さがあるということ。「『天然』ではない、予想のつかないトークが返ってくるんです」と蜜谷氏。
アスリートはオフシーズンにしか出演できず、人選はスポーツ班の協力が不可欠となる。また、スポーツ班の出演者との向き合い方にも刺激を受けているそうだ。「僕たちは『こんなことをやってもらおう』と気軽に考えてしまうけれど、スポーツ班は『それは無理かも』と常に本業との兼ね合いを気遣っている」(同)
見ごたえのある情報にもこだわる。フィギュアスケートでは、衣装のスパンコールが1つ落ちただけでも減点になるなど、正式なルールは意外と知られていないことが多い。スポーツクライミングなら東京五輪ではリード・ボルダリング・スピードの3種目の合計点で競われる、というところまでを説明する。
放送時間は日曜午後7時。人気番組が多く、フジが視聴率に苦戦してきた枠だが、初回スペシャルは10.6%。同時間帯民放2位と健闘した。以前は男性視聴者が多かったが、女性やファミリー層も増えているという。
蜜谷氏は「楽しいトークや競技の興味深さを伝えることで、応援したい人を見つけてもらえたらうれしいです」と話している。
(「日経エンタテインメント」4月号の記事を再構成 敬称略 文/内藤悦子)
[日経MJ2018年4月20日付]
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