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ジャズピアニスト・中島さち子氏

ジャズピアニスト・中島さち子氏

東京大学出身のジャズピアニストとして活動する傍ら、数学研究者、数学や音楽の楽しさを広める教育者としても活躍する中島さち子氏(38)。その原点は母校のフェリス女学院中学高校(横浜市)にあると話す中島氏が、二刀流のキャリアを歩むに至ったエピソードを語った。(前回「校庭で木登りも満喫 東大卒ピアニストのフェリス時代」)

高校2年の時、国際数学オリンピックで金メダルを獲得した。

世界中の高校生以下が参加し、独創的な数学の問題を解く能力を国別対抗で競う国際数学オリンピックに、高2と高3の時に出場しました。初出場したインド大会では金メダルを獲得。日本人女子初の金メダルでした。その前に開かれた日本代表選考を兼ねる日本数学オリンピック本選でも、最高賞である川合杯を女子で初めて受賞しました。

国内の本戦で女子初の最高賞をもらった時もメディアの取材を受けましたが、国際大会での金メダルを受賞した後は、新聞やテレビ、雑誌から次々と取材の申し込みがあり、慣れないことに戸惑いました。その時の取材対応では、当時のフェリスの副校長先生がいろいろと心を砕いてくださり、本当に助かりました。

個人の資格で出場する数学オリンピックに私が出場したことは、周りはあまり知りませんでした。それまで、みんな私のことを文系だと思っていたので、そういう意味でも、友達からびっくりされました。

数学は小さいころから好きでしたが、数学オリンピックに出るまでにのめり込んだのは、やはりフェリスのおおらかな校風や個性を尊重する先生の影響が大きかったと思います。

中1の時の数学の先生は、退職間際のおじいちゃん先生で、すごくのんびりとした先生でした。初等幾何の授業でしたが、よく黒板に書いた定理を見ては、「あぁ、美しいですねえ」と。私の大好きな先生でした。

その先生が、期末試験の解説も終わり暇になった最後の授業中に「シムソンの定理」(三角形ABCの外接円上の点Pから三角形の各辺BC、CA、ABにおろした垂線の足L、M、Nは、すべて同一直線上にある)を紹介し、「これは本当に美しい定理ですから、興味があったらぜひやってみてください」とおっしゃったのです。

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