校庭で木登りも満喫 東大卒ピアニストのフェリス時代ジャズピアニスト・中島さち子氏が語る(上)

当時の友達とは、今も交流があります。特に、私もそうですが、ちょうど母親世代が多いので、SNSで子育ての悩みを語り合ったり、仕事やプライベートのことで情報交換したりと、女子校ならではのネットワークではないかと思います。

考えることの面白さを学んだ。

振り返ると、フェリスは中学高校を通じ、「自分の頭と心で考えさせる教育」が徹底していたと思います。

高校の時、やはり別の素敵な国語の先生の授業で、長い時間をかけて一人の作家が書いた様々な本を読み、研究ノートを作るという課題がありました。日々本を読んでは自分なりの感想や考えをまとめていくという作業を継続。これを2年近くやりました。

1年目は夏目漱石。2年目も、与えられた課題は日本人の作家でしたが、ロシア文学が好きだった私は、先生に直談判してドフトエフスキーにしてもらいました。本を読みながら自分の頭で必死になって考え、それをまとめるという作業を繰り返すうちに、研究することの面白さに目覚めていきました。

また、フェリスは広島女学院高校と提携しており、広島を訪れて原爆被曝(ひばく)者の方々と話をする行事がありました。

私たちの学年が訪れた時には、私がフェリスを代表してスピーチすることになりました。単に感謝の意を表すような形式的なスピーチではなく、自分の考えをまとめ自分の言葉で話すことが要求されていたので、事前に本を何冊も読んで自分の考えをまとめ、臨みました。私にとっては本当に貴重な経験でした。また、被曝者の方々から戦争の話を直接聞いた体験は、本を読んだだけでは味わえない本当に衝撃的な体験でした。

普段の授業でも、何かわからないことや興味を持ったことは、時に授業やテストに全く関係ないことでも、先生の所によく質問しに行きました。どの先生も、面倒くさがったり嫌がったりなどせずに喜んで答えてくれ、もっと知りたいならこういった面白い本があるよと、好奇心をさらに刺激してくれました。

私はいま数学や音楽という世界の醍醐味を多くの人たちに伝える仕事もしていますが、それは、私がフェリス時代に先生からしてもらったことを、今度は自分が若い人たちのためにしてあげたいという思いから来ている面も大きいと思います。

(ライター 猪瀬聖)

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