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心拍数もとに試合時を再現 スポーツITの練習革命 ピッチャーの球の回転数からケガ予防も

2018/5/16 日経産業新聞

「横浜ビー・コルセアーズ」は試合中のストレスを練習で再現することを目指している(C)B-CORSAIRS/T.Osawa

プロスポーツ市場でIT(情報技術)の存在感が高まっている。心拍数など競技中の選手のデータを採取し分析した結果に基づき、練習内容や選手交代のタイミングを決めている。日々の食事やけがの情報を解析することで選手寿命が特定できるようになるともされる。経験に基づく指導が中心のスポーツ界で、ITを駆使したデータ重視の指導が台頭しつつある。

■ウエアに特殊な糸編み込む

4月上旬。バスケットボールBリーグに所属するチーム「横浜ビー・コルセアーズ」の13人の選手らは、横浜市内の体育館でボールを使った練習などに励んだ。その裏では競技力アップに向けた実験が進んでいた。

在籍選手13人のうち2選手とチアリーダー2人が特別なウエアを着用。電気を通しやすい銀メッキの糸を一部に編み込み、腰などには専用器具を付け心拍数を計測している。日常生活でも着てもらい練習前後でのデータの揺らぎを分析。選手らのストレスや疲れを数値化しようとしている。

実証実験を始めたのは2018年から。繊維メーカーのミツフジ(京都府精華町)と連携し、各選手に最適な練習メニューの提案を目指す。試合中は高いストレスレベルでプレーするものの、同じ環境を練習時から完全に再現できているとは言い難い。そこで選手の体調面に関わるデータを数値化し各選手に合った練習の提案を目指す。

ミツフジの三寺歩社長は「データで見える化することが重要」と説明する。これまで選手の疲れは各選手の感覚に頼っていた。数値化することで練習の加減を細かく調整できるようになるという。将来は練習場所の体育館の壁にモニターを設置し、あらかじめ設定した各選手の疲労度合いを超えるとアラームがなる仕組みを想定する。

現在は正確なデータ取得を重視する段階のため器具を付けたウエアでの練習はシュートの練習などにとどまる。ただ横浜ビー・コルセアーズの植田哲也球団代表は「選手の体に対する意識が変わってきた」と変化を口にする。早期に接触プレーでのデータ取得を始め、選手全員にウエアを着用してもらう。下部組織のチームでも使うことで選手の活躍につなげる。

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