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ペンで選ぶタブレット・PC 書き味と値段の違いは?

西田宗千佳のデジタル未来図

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ペンが使えるパソコンやタブレットは、珍しくなくなった。ペンは絵を描く人にだけ有用なものではない。メモに文字だけでなく簡易な図をつけたり、他人から送られた資料に追記したり……。紙なら当たり前だがデジタルだと失われがちな良さを、簡単に取り戻せる道具なのだ。だが、購入するときにペンの種類を意識している人はどれだけいるだろうか。現状使われているペン技術は主に4種類あり、書き味に影響する精度や機能に大きな違いがある。機種を選ぶときにペンの種類も判断基準になるべきだ。

Apple Pencilはなぜ高い?

ペンが使えるパソコンやタブレットの代表格として、多くの人がイメージするのは、アップルの「iPad」ではないだろうか。2018年3月に新製品が出たばかりで、ハイエンドのiPad Proだけでなく標準的なiPadでも純正の周辺機器である「Apple Pencil」が使えるようになった。

Apple Pencilを使うと、ペンの筆圧や傾きを検知できる。画面上の位置を検出する機能は本質的にスマートフォン(スマホ)のタッチパネルと同じだが、Apple Pencilの中には、筆圧と傾きを検知するセンサーが入っており、iPad本体にBluetoothで必要な情報を転送する。ペン先は鋭く硬くなっているので指では指定できないような細い線や小さな点も描ける。また、17年モデルのiPad ProでApple Pencilを使うと、位置の把握を最大毎秒480回も行う。これは、現状の製品ではトップレベルである。

iPhone 8など通常のスマホでは毎秒60回程度であり(iPhone Xなど120回の機種もわずかながらある)、iPad ProでApple Pencilを使うのとは8倍も違う。なお、18年3月に発売された第6世代iPadや15年・16年モデルのiPad ProでApple Pencilを使ったときは毎秒240回となっている。17年モデルのiPad Proの半分だが、これでもトップクラスに入る。

一方、ペンに様々な仕組みが搭載されているため、Apple Pencilにはバッテリーが搭載されており、充電が必須だ。価格も税別1万800円とかなり高い。

この点を考慮してか、第6世代iPadでは、新しい「Crayon」というペンにも対応することになった。Crayonは筆圧に対応しないものの、約50ドルとApple Pencilの半分程度の価格。販売元はアップルではなく米ロジテックになっている。発売は夏を予定しているが、日本法人のロジクールからは発売予定が公表されていない。

ペンの老舗・ワコムは2つの技術を提供

ペンで圧倒的なシェアをもっているのが「ワコム」だ。プロ向けの液晶タブレットや、サムスンのスマホ「Galaxy Note」シリーズ、大多数のペン対応Windowsノートパソコンに搭載されているのも、ワコムの技術である。

ただし、ワコムのペンには2種類の技術が存在する。

一つめは、主にプロ向け・アート向けのペンタブレットに使われている「電磁誘導(EMR)方式」と呼ばれる技術。これは、ディスプレーの下に専用のセンサーを組み込み、ペンと組み合わせるもの。センサーにコストがかかるため、低価格な製品での採用は少ない。その代わり精度が高く、特に筆圧検知が自然なので、アーティストからの信頼が厚い。ペンにバッテリーが不要なのもありがたい。ペンを軽く小型にできる、というメリットもあり、Galaxy NoteシリーズではEMR方式のペンが使われている。

もう一つが「アクティブ静電結合(AES)方式」と呼ばれる技術だ。これは、比較的低価格なペン対応Windowsパソコン向けとして、レノボや東芝など、多くのパソコンメーカーに採用され、現在利用率が上がっている。特徴は、ペンの検知に通常のタッチパネルを使うため、本体の価格を上げる必要がないこと。その代わり、ペンにはAES方式に対応するためのセンサーを備える必要があり、電源を内蔵する必要がある。ただし、Apple Pencilと比べてバッテリー消費は少ない。「単6」という小型で特殊な電池を使うものが多いが、電池1本で1年ほど動作する。ペンはパソコンに付属する場合もあるが、別売りとしているメーカーもある。価格はまちまちだが数千円程度で、Apple Pencilほどは高くない。

Surfaceをペンで差別化するマイクロソフト

残る「ペン」の雄はマイクロソフトだ。同社は「Surface」シリーズすべてで、専用ペンの「Surfaceペン」に対応している。機器によって遅延や精度は違うのだが、17年発売の「Surface Pro」の場合、ペンの遅延は「21ミリ秒」と、iPad Proの20ミリ秒に匹敵している。ペン描画の遅延を減らすため、CPUでの処理をバイパスしてペンの記録と描画だけを先に行う機構が内蔵されているほどだ。

マイクロソフトは独自のペン技術を持っており、「Microsoft Penプロトコル(MPP)」と呼んでいる。もともとはイスラエルのN-Trigという企業がライセンスを持っていたもので、VAIOなどでも利用されていたが、15年にマイクロソフトがN-Trigを買収、Surfaceシリーズに使うようになった。ペンにバッテリーが入っており、Bluetoothでパソコンと接続してデータをやりとりする、という構造はApple Pencilに似ているが、検知の仕組みは大きく異なり、使い勝手もEMRとAESの間のような印象がある。ペンの使い勝手にこだわる人からの評判は良い。

なお、ワコムとマイクロソフトはペン技術について提携しており、ワコムはひとつのペンでAESとMPPの両方の機器に対応する「Bamboo Ink」(税別8980円)というペンも販売している。ペンの選択肢という意味で、こうした「別売のペン」が出てくることには大きな意味がある。

「4つのペン」からどれを選ぶか

パソコンやタブレットを選ぶときには、ペンのコストも含めて考えていただきたい。特にiPadやSurface、AES対応パソコンを買う場合には「プラス1万円で、ペンを使う世界が待っている」と考えてほしい。

では、4つのペンをどう選んだらいいだろうか?

まず、遅延と筆圧の書きやすさにこだわるなら、Apple PencilもしくはEMRのペンをお薦めする。Apple Pencilの評判は非常に良いが、EMRのペンはアーティスト向けに長い歴史があり、使いやすく、持ちやすい。「書き味」に合わせたペン先が多数別売りされており、自分の好みに合わせやすいのも重要な点だ。EMRを内蔵したパソコンは減り、ディスプレーや描画専用タブレットなどに内蔵されていく印象が強い。EMRは「こだわる人」向けだ。

MPPの「Surfaceペン」は次点である。Bamboo Inkのような選択肢もあること、そもそも遅延などが小さく使いやすいことが利点だが、イラストなどでの書き味では、Apple Pencilに軍配を上げるイラストレーターが多い。ただ、プロ向けの絵ではなくメモやアイデアスケッチならば、OS連携の自然さも含め、Surfaceはよくできている。

AESペンは品質も向上しており、スマホやタブレットで使われる数百円の「静電容量式スタイラス」とは比べものにならない。もしパソコンがAESペンに対応しているなら、一本持っていて損はしない。筆者はAESに対し、筆圧検知のしきい値がイラストよりもメモやアイデアスケッチ向け、という印象を持っているが、別に絵が描けないほど出来が悪いわけではない。EMRやSurfaceペン、Apple Pencilと比較すると……というイメージだ。コスト的には有利であり、「ないよりはるかに良い」存在、といえるだろう。

西田宗千佳
 フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。

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