ITと投資のヒーロー育て! キッズ教育の現場を拝見教材開発・セミナー開講… 企業の参入続々

日経ヴェリタス

大日本印刷(7912)は小学校向けの指導教材として、プログラミング教育先進国の英国で広く使われている教材を基に「Switched on Computing 日本版」を開発した。ITに不慣れな教師でも授業で扱いやすいように、指導案や書き込み式のワークシート、お手本となるプログラムのサンプルファイルなども準備した。

「教える側の意見を取り入れるため、研究授業ではITに詳しくない教師にも使ってもらった」(大日本印刷の戸崎聡氏)。7月に発売予定で、約40の自治体から導入に向けた問い合わせがあるという。

また、ライフイズテックはウォルト・ディズニー・ジャパンとライセンス契約を結び、4月21日に学習教材「テクノロジア魔法学校」を発売。「アナと雪の女王」などの人気のディズニー作品を使ったレッスンで、ロールプレイングゲームを遊ぶ感覚でプログラミングを学ぶことができる。

調査会社のシード・プランニング(東京・文京)によると、プログラミング教育の関連市場は25年度に230億円と、16年度の6倍近くまで拡大する見通しだ。急成長する教育市場を取り込もうと、ITや教育関連企業を中心に今後も新規参入が見込まれそうだ。

起業家と投資家の役割を学ぶ

「FAANG」のような次世代の産業を育てるには、投資資金も重要だ。投資について身近に考える機会を増やそうと、金融機関各社による若年層向けマネー教育も広がっている。

コモンズ投信は2013年から小学生などを対象に「こどもトラストセミナー」を開催している

起業をテーマにしたプログラムを用意するのは野村ホールディングス(8604)だ。去年から始めた出張授業「Nomuraビジネス・チャレンジ」がそれだ。大学院在学中に起業したGunosy(6047)の福島良典CEOなど、若手経営者の映像を中高生に見てもらい、身近な課題を解決するためのアイデアをグループで考えて発表する。発表を聞く側の生徒は、投資家としてどのアイデアに投資したらよいのかを考える。起業家と投資家のそれぞれの役割を学ぶ内容になっている。

りそなホールディングス(8308)は傘下銀行の本支店で小学生向けに「りそなキッズマネーアカデミー」を開いている。2017年は全国で230回開催し、4136人が参加した。予算の範囲内でカレーの材料をそろえる「買い物ゲーム」や、結婚や家選びといったイベントを疑似体験する「人生やりくりゲーム」など、社員が手作りしたプログラムを経験できる。本店で開催するときは、東和浩社長が「校長先生」として飛び入り参加することもあるという。

コモンズ投信が手がけるのは、小中学生などを対象にした「こどもトラストセミナー」。コモンズ投信の投資先企業の見学や、NPOを招き寄付の仕組みを学んだりする。社会に必要な企業をお金を通じて応援する、との長期投資の理念を学ぶ内容になっている。

セミナーでは受け身の「授業」にならないよう、「見学した企業を応援するか、しないか」や「3つの寄付先のうちどこを選ぶか」などを子どもが決め、その理由を自ら発表する内容にしている。「投資の基本は選択すること。自分で選ぶ力を身につけてほしい」(コモンズ投信の福本美帆氏)との考えからだ。

子どもだけではなく、マネー教育を十分に受けてこなかった保護者からも「お金について考えるいい機会になった」との感想が寄せられるという。

(齋藤正弘)

「+(タス)ヴェリ」は週刊投資金融情報紙「日経ヴェリタス」編集部による連載コーナーです。タスヴェリはNIKKEI STYLEでだけ読めるスペシャル企画で、ミレニアル世代と呼ばれる20~30代の価値観やライフスタイルを、同年代の記者が取材し幅広くご紹介します。更新は不定期です。

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