2018/5/8

オリパラSelect

戸塚選手は惜しくもメダルには届かなかったものの、戸塚選手のボードは売れた。「もはや活躍した選手が使っていたというだけで、道具やウエアは売れない。デザインなど格好良さは欠かせない」(ヨネックス)。自分のスタイルを持つ消費者が増えているからだ。

「東京五輪は(スケボーなどの)カルチャー系・横乗り系ブランドの認知が広がるチャンス」。伊藤忠商事の繊維カンパニーブランドマーケティング第6課の西村宣浩課長代行はこうみる。

カーリング女子代表のユニホームはあまり注目を集めなかった(2月、平昌冬季五輪で)

同社がライセンス展開する米ブランド「エアウォーク」は、スケボーなど、ファッショントレンドとして再注目されるストリートカルチャーをデザインに取り入れた。日本サーフィン連盟、マウンテンバイクなどBMX競技の大会や選手にも協賛。東京五輪の場では選手たちが身にまとうことでブランドの注目が一気に高まると期待する。

従来、「五輪で日本人選手が活躍しても選手が着たウエアは、部活にいそしむ学生以外にはなかなか売れなかった」(大手スポーツメーカー社長)。そんな通説は東京五輪で覆りそうだ。

アパレル関係者が平昌五輪で残念がるのが、カーリング女子日本代表のユニホーム。選手の細かな情報まで話題になったが、ユニホームに触れられることは少なかった。ウエアの機能ばかりを注目する時代は終わった。イケてるウエア、道具が五輪後の消費を動かす。

(小林宏行、岩野孝祐)

[日経MJ2018年4月11日付を再構成]