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選手が踊るバレーボール 真剣勝負も「面白くなきゃ」 スポーツに広がるマーケティング手法

2018/5/8 日経MJ

Vリーグの3月のオールスター戦では、選手と観客が同じポーズをとって得点を喜び合った(Vリーグ提供)

平昌五輪で人気が爆発したカーリング女子のように、スポーツはいまや流行の発信源だ。2000年の東京大会まであと2年余り。競技団体や関連企業は世紀の祭典に向けて、ファンの熱狂をどう仕掛け、消費につなげるかに知恵を絞る。スポーツは勝つだけでなく、「魅せてナンボ」の世界に変わろうとしている。

■スター選手依存から脱却めざす

日本のお家芸だったバレーボール。社会人リーグ「Vリーグ」は18年秋、大きく衣替えする。チケット販売や会場運営を都道府県協会から各チームに移管。試合もホーム&アウェー方式が基本となる。1人だった外国人枠はアジア枠を追加する。狙いは20年の東京五輪に向けた代表の力を底上げするだけではない。

試合後には選手が観客とハイタッチ(3月、Vリーグのオールスター戦)
観客席にボールを投げ込む演出も(同上)

「もはや体育ではない。スポーツになるんだ」。1972年のミュンヘン五輪金メダリストで、日本バレーボールリーグ機構の嶋岡健治会長は吠(ほ)える。

嶋岡氏の肝煎りで17年、スポーツ界では珍しいマーケティング専門会社「排球堂マーケティング」を設立した。狙いは木村沙織元選手ら一部スター選手依存からの脱却だ。年42万人のVリーグ観客動員数を28年度に100万人と2.4倍に引き上げることを目指す。

新リーグ発足に先立ち、18年3月に東京・大田で開かれたオールスター戦。得点を決めるたびに選手は歓喜のダンス、ミスをすれば腕立て伏せ――。コートの隅で菓子をほお張る「もぐもぐタイム」、観客とのハイタッチと、ライブのような雰囲気にファンは大喜びだった。

体育の時代、選手は競技に打ち込み勝てば良かった。新リーグでは選手にもエンターテインメントを求める。取り組みの背景には東京五輪を契機に、ファンの裾野を広げることがある。

以前は試合中の応援は両チーム平等だが、新リーグでは例えばホームチームが得点を上げたときだけ音楽が会場に流れる。練習の様子や、選手のプライベートもネットなどで発信する。選手にはインタビューの際にキャラ立ちできるように、指導しているという。

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