落合陽一 2045年お薦めの仕事はVRユーチューバースピルバーグ最新映画「レディ・プレイヤー1」

VRが普及した世界では、映画の主人公のように、VRの世界に行って、そこでフォロワーを獲得したり、お金を稼いだりする世界観は大いにあり得ることだと思います。そんな2045年、オススメの仕事は、「バーチャル・ユーチューバー」。最近のYouTubeでは、初音ミクみたいな人間じゃないキャラクターを前面に押し出したバーチャル・ユーチューバー(YouTubeで動画配信を行うCGキャラクター、またはその配信を行う人)も増えている。2045年、僕は58歳になっていますが、そのころ、(VRの世界で)バーチャル・ユーチューバーになっているかもしれない(笑)。

VRは次世代の映画的な存在になる

僕はスピルバーグの映画で育ちました。6歳の時、初めて「CGスゲェー!」と思ったのは「ジュラシック・パーク」でしたから。そんな僕にとって「レディ・プレイヤー1」は、子どもに戻ったようなニュートラルな気持ちで楽しめる娯楽作品であると同時に、スピルバーグの自己言及的な作品だとも思いました。

「もしも、現代に恐竜がよみがえったら……」というように、「もしも」の世界を実現するのが、スピルバーグにとっての「映画」だったと思うんです。そんな映画を映画人としてつくり、少年の頃に見たかった「もしもの世界」をひたすら追求して、スピルバーグは様々な夢の世界を作り上げることに成功してきた。

でもこれからの世代では、スピルバーグにとっての映画的な存在が「バーチャルリアリティー」(VR)になるのではないか。実際、映画よりもっと没入感の高いVRの世界にハマった人も出てきている。

そういった世界で、本当の冒険はあるのか。はたして自分たちがつくってきた世界は本当に正しかったのか。どうやって子どもたちに勇気や明日への希望を与えて現実に引き戻すのか……。そんな自己言及を図り、新しいメッセージを渡した上で、70歳を超えた自分が老年をどう過ごしていくのか、ということとも向き合った作品だと思いました。

落合さんは「スピルバーグの映画で育った」という
落合陽一
1987年生まれ、東京都出身。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了、博士(学際情報学)。2015年にピクシーダストテクノロジーズ株式会社を起業し、17年からは筑波大学の准教授兼学長補佐を務める。メディアアーティスト、経営者、教育者、科学者など多彩な顔を持って活躍中。米国WTNより「ワールド・テクノロジー・アワード」、EU(欧州連合)より「スターツプライズ」など国内外で受賞多数。著書に「魔法の世紀」(PLANETS)、「これからの世界をつくる仲間たちへ」(小学館)、「日本再興戦略」(幻冬舎)などがある。

「レディ・プレイヤー1」

(c)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

2045年、アメリカ。荒廃した世界に暮らす若者たちの楽しみは、巨大なVR世界「オアシス」で理想の人生を楽しむことだった。ある日、オアシスの創設者が亡くなり、遺言が発表される。「オアシスに眠る3つの謎を解いた者に、全財産56兆円と、この世界のすべてを授けよう」。機動戦士ガンダムをはじめ、日本の人気キャラクターが多出するのも話題。監督・スティーブン・スピルバーグ 出演・タイ・シェリダン、オリビア・クック、ベン・メンデルスゾーン、森崎ウィン 4月20日全国ロードショー/ワーナー・ブラザース映画配給

(文 泊貴洋、写真 藤本和史)

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