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混迷期こそ過去の転機に学ぶ 山川、常識破りの歴史書

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NIKKEI STYLE

高校時代の歴史の授業や受験勉強で、多くの人が山川出版社の世界史と日本史の教科書を使ったことだろう。少子化の今も、合計年間55万部を発行する隠れたベストセラーで、累計の部数は1000万部を超えたという。そんな山川は今年、創業70周年を迎える。節目の年に「これまでの常識を覆す大胆な歴史書を作りたい」(野沢伸平社長)と、4月26日から発刊を始めたのが『歴史の転換期』(全11巻)だ。

覇権国家、イスラム、通貨… 歴史を動かす枠組みに着目

同シリーズは、世界の歴史における大きな転機を独自の視点で選び、そこから現代に至るまでの流れを俯瞰(ふかん)する。例えば第1巻で取り上げる転換期は紀元前220年だ。西洋ではポエニ戦争などの戦乱を通じて、ローマ帝国が支配を確立していく時期だ。単なる都市国家から強い指導者のもとで帝国へと成長し、広い地域を支配する構図が初めて確立した。東洋では同時期、中国の秦が国家統一を果たし、漢王朝を経て、現在の中国の原型ができた。西洋の支配者はローマ帝国後、オランダ、スペイン、イギリスなどを経て米国になり、世界全体では米中2強時代を迎えている。

第2巻で焦点を当てるのは378年。ローマ帝国、漢帝国の勢力が衰え、再び混沌とした時代を迎える。第3巻では750年を取り上げている。この年にイスラム世界ではアッバース朝が誕生。欧州ではトゥール・ポワティエの戦いを経てカロリング朝がこのころに成立した。東アジアの一大帝国である唐がイスラム勢力に敗れたのが751年だ。今も世界に大きな影響を与えるイスラム勢力の起源はここにあるという分析は興味深い。

第6巻で指摘するのは1571年。レパントの海戦でスペインなどの連合艦隊がオスマン帝国を破り、西洋から世界の一体化が始まった年だ。このころに流通し始めたのが貨幣としての銀だった。現在の仮想通貨に至るまでの通貨の歴史は、この時代に遡る。

政治、経済など様々な現在の世界の枠組みの基礎が、いつごろ、どのような経緯で生まれ、どのような変遷を経て現代に至るのか。その起源と背景を転換期となった年を選んで分析する手法が斬新だ。

編集責任者の山本早穂子取締役は「これまで歴史の研究は縦割りで、西洋、イスラム、インド、中国など専門家は多いが、それが横につながる機会が少なかった。今回、転換期の年を決め、その年にそれぞれの地域で何が起きていたのか検証してみたら、今につながる大きな流れが見えてきた」と語る。今後2カ月に1冊のペースで2年かけて完結する。興味のある分野だけ読んでみてもいいだろう。

深めたい歴史への造詣

山川の歴史書の歩みは、終戦直後に始まる。それまで歴史の学習といえば、「国史」と呼ばれた日本史が中心で、欧米の歴史を学ぶ機会は少なかった。戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の指導により、新制高校で「西洋史」と呼ばれた欧米などの歴史や、中国、インドなど「東洋史」を学ぶようになった。その後、合体して「世界史」となったが、教科書がなかったため、1949年に山川から発刊された『世界史概観』が代わりに使われるようになった。

高校向け世界史の教科書は、51年に検定を受けて誕生した。同社本社には、当時GHQに提出した教科書検定の書類が残っている。以来、70年近く、山川の教科書は歴史を学ぶ学生の伴走者になった。

ここ数年、「歴女(れきじょ)」と呼ばれる歴史好きの女性が増えたり、社会人になってから歴史を学び直す機運が高まったり、ちょっとした歴史ブームになっている。こうしたニーズをくみ取る形で出版された『もういちど読む山川世界史』、『もういちど読む山川日本史』は累計で130万部を超える大ヒットになった。

日本資本主義の父といわれる渋沢栄一氏の玄孫にあたる、コモンズ投信会長の渋沢健氏は「欧米では歴史を語れない人は教養人と見なされない」と指摘する。先行きの見えない時代だからこそ、先達たちが過去の厳しい局面をいかに乗り越えたのかを学ぶ価値がある。大型連休などに歴史書を開き、時空の旅に出るのも悪くない。

(編集委員 鈴木亮)

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