2018/4/22

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75歳以上が加入する同制度の保険料は、住民税の課税所得に連動する部分がある。「所得割」といい、武蔵野市の例で料率は約9%。Aさんのケースでは届け出をしたことで、課税所得に配当30万円分が上乗せされずに済んだ。結果として保険料負担を3万円近く軽減できる計算だ。

所得割の仕組みは国民健康保険などにもある。加入者はAさんと同様、節税と保険料軽減とセットで得する可能性がある。

住民税を申告不要の扱いにしたほうが得するケースは他にもある。例えば複数の証券会社で「源泉徴収あり」の特定口座を開設して株式を売買している人だ。

図Cのようにa証券で利益、b証券で損失になったら、そのままにせず、確定申告して両口座間の損益通算を実行したほうが通常はよい。源泉徴収されていた税金の一部が還付される。申告分離課税といい、届け出なければ住民税も同じ方式になる(1)。

ただし、国保などの加入者は、申告することで所得が増え、社会保険料負担が重くなる恐れがある。保険料が増えれば、税還付額を考慮しても全体で負担増になりかねない。しかし、住民税を申告不要としておけば保険料に響かないで済む(2)。

「届け出の手続きは市区町村によるが、専用書類に記入したり、住民税申告書にチェックを入れたりする」(税理士の藤曲武美氏)。詳細や不明点は市区町村の税務窓口に問い合わせよう。

(後藤直久)

[日本経済新聞朝刊2018年4月14日付]

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