2018/4/22

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次に見てほしいのがb。総合課税を選び配当を申告する人たちで、どちらかと言えば少数派だ。総合課税には「配当控除」という負担軽減の仕組みがあり、所得水準によっては税率が源泉徴収税率の20%より低くなり、aよりも有利。配当控除は法人税との二重課税を調整するためにある仕組みだ。

そして注目すべきがc。最近可能になった節税法がこのパターンだ。所得税は総合課税を選んで税務署に確定申告。そのうえで、市区町村の税務窓口に届け出て、住民税の扱いを申告不要とする方法だ。

課税所得が900万円以下の一般的な水準の人で見ると、税率はaやbよりさらに低く、お得なことが確認できる。

例えば課税所得「695万円超900万円以下」の人の実質税率は18%。計算法は省くが、内訳は所得税13%、住民税5%となっている。所得税は、総合課税を選ぶことで配当控除の恩恵を受けられる。住民税のほうは申告不要の扱いとすることで源泉徴収税率である5%だけで済むのが大きい。bのケースでは住民税の負担はもっと重い。

総括すると、所得が900万円以下の人はcのパターンを選ぶのがよいだろう。一方、高額所得者は「両方とも申告不要のままでいるのが得策だ」(新宿総合会計事務所グループの瀬野弘一郎代表税理士)。

事例を一つ紹介しよう。東京都武蔵野市に住む85歳のAさんは、保有株で年30万円ほどの配当を得ている。従来は配当控除を受けるため総合課税を選んでいた。表Bではbの税率7.2%のところにあたる。

社会保険料の負担軽減も

より有利な方法(c)があると知ったAさんは今年3月、市役所を訪問。配当を申告不要の扱いとする届け出をした。税率は5%に下がり、住民税額が約7000円減った。

注目したいのはAさんが得したのは税金だけではない点だ。実は後期高齢者医療の保険料が年3万円近くも減りそうだという。