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中古住宅購入の不安軽く 品質基準「安心R住宅」始動 新耐震クリア、雨漏りも点検

2018/4/17

写真はイメージ=PIXTA

中古住宅の購入を検討していますが、気に入った家があっても「なにか欠陥がある家なのではないか」という不安がぬぐえません。一定レベルの品質を保証するようなわかりやすい基準はないでしょうか。

◇  ◇  ◇

4月から中古住宅の物件広告に「安心R住宅」マークを付けられるようになった。国土交通省がつくったルールに基づく品質表示で、優良ストック住宅推進協議会(東京・千代田)など複数の登録業界団体が認証実務を担っている。

マークが付く物件は、震度7の地震でも人命に関わるような倒壊はしないとされる「新耐震基準」を満たす。具体的には新耐震基準が義務づけられた1981年6月以降に建築された物件か、それ以前の物件のうち耐震診断で耐震性が確かめられたものだ。

マークがない物件でも新築年を見れば新耐震かどうかわかるが、柱や梁(はり)といった重要な構造材が腐食していると耐震性能も下がりかねない。屋根や外壁のメンテナンスが十分でなければ雨漏りが発生している可能性もある。

こうした不安の払拭のため、安心R住宅はあらかじめ専門家によるインスペクション(建物状況調査)で構造上の不具合や雨漏りがないか調べる。買い主が望めば、購入後に不具合が見つかった際に修理費用が出る「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」も付けられる。

さらにリフォームに関する情報提供も義務づけられた。登録団体がリフォームの統一基準を設け、物件ごとに具体的なリフォーム提案とその費用を示す。

例えば中小不動産会社の業界団体、全日本不動産協会(東京・千代田)は、「屋根瓦」「サッシ」「ユニットバス」といった住宅の部位ごとに耐用年数を設定。それを超えていれば交換や補修などのリフォーム提案をすることにした。

リフォーム案が提示され、費用の見積もりが示されれば買い主も安心して住宅購入に踏み切れそうだが、現場では実務負担の重さを指摘する声も出ている。工務店業界には「提案づくりに協力しても必ずしも工事受注にはつながらない」との見方があり、マーク普及の障害になる可能性も指摘されている。

また、大手の不動産仲介会社はここ数年、構造上の不具合や雨漏り、設備の故障といった中古住宅のリスクをカバーする独自の補償制度を競って整えてきた。このため、いまのところ安心R住宅の登録団体に名乗りを上げていない。

登録団体の第1号となった優良ストック住宅推進協議会にしても、もともと大手住宅メーカー10社の施工物件を対象に「スムストック」という独自の品質規格を運用している。

安心R住宅は中古住宅の購入希望者に一定の安心感を与える制度だが、実際にマークを付けた住宅が本格的に流通するまでにはまだまだ時間がかかる。当面は不動産会社が買い取ってリフォームしたうえで売り出す「買い取り再販」の物件などが先行しそうだ。

[日本経済新聞夕刊2018年4月14日付]

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