夫が素直ではありません
女優、美村里江さん
私の夫は素直ではありません。男ばかりの兄弟で大学までずっと野球漬け。厳しい環境で育ったからなのか、人に甘えるという感覚があまりないのだと思います。うれしいときにふざけたり、真面目に答えてほしいのにふざけたり。夫の考えていることがよくわかりません。でも夫のことは好きなので理解したいです。(宮城県・女性・20代)
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「好きなので理解したい」なんて、いい奥様ですね! 男だったら言われてみたいセリフです。
ずっとひとつのことに集中して、投げ出さなかった旦那様。男兄弟の厳しい環境。会社にとってはいい人材になりそうですね。奥様からは不要に見える"おふざけ"も、憎めないヤツとして、家族や会社員という群れの中では、いい潤滑剤になっているのでしょう。
ただ、家の中でもそのままだと、奥様としては接しにくいですよね。真面目に話したのにちゃかされたりすると、腹が立ってしまいそう。そんなときは、会社での旦那様をご想像ください。
旦那様も20代なのかわかりませんが、多くの場面でまだ後輩の立場なのかな、と感じました。ご本人が多用するということは、"おふざけ"が有効な環境なのでしょう。ところが、もっと年を重ねて「頼りがいのある先輩」にシフトしていきたいと願ったとき、今のままでは難しい時期がくるかもしれません。
会社でもまれると、社会的ルールに従って生きる群れの習性として、男性の方が急激な大人化を迫られる気がします。(女性同士のコミュニティはまた別で独特ですよね)
今までの自分を意識的に変えねばならない時期。結構ハードなものだと思います。そんな時のために、旦那様が甘えられる準備をしておきませんか。
といっても、20代とは思えない包容力と洞察力のある相談者さん。このままいけば、十分懐深い包容力ある奥様になれそうです。あとは自分の気持ちを楽にするため、アンカーを投げておくのがオススメ。
「時々でいいからふざけずに聞いてほしい」「どんな内容でもいいのであなたの本心が知りたい」ということを、けんか腰でなく、ことあるごとに笑顔で気持ちを込めて伝えておく。本心からの言葉は、必ずどこかで相手に届いています。禁句は「あの時言ったでしょ!」ということ(笑)。
あくまで気長なおまじない的意識で。本音を口にするだけであなたの心も軽くなりますから、試してみてください。
[NIKKEIプラス1 2018年4月14日付]
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