男の装いの中で、最も時代ごとに変わってきたのがパンツだ。シルエットにしろ、着丈にしろ、下で挙げる通り、スタンダードをめまぐるしく変えてきた。つまり、装いを今基準にするためには、何よりもパンツを見直すことが肝心と言える。
数年前まではあれほどピタピタなノープリーツパンツが流行ったにも拘わらず、今、ベルトレス&プリーツ入りの、ゆとりあるパンツシルエットが軸となる。伝統的注文服に多いこれらパンツのディテール。しかし現在のそれらは、テーパードによるシャープさと、無理ないゆとりのバランスとともにあり、今の時代の美脚を作り上げている。トラッドのアップデートには、その時代のスマートさこそ鍵なのだ。
【パンツ】
プリーツ&サイドアジャスターが導く。トラッドは今、ゆとりの時代
■GERMANO/ジェルマーノ
モダンに穿ける浅めのプリーツ
コスパ度の高さから最近評価の高い伊のパンツ専業ブランドの1本。ゆとりとフィットとのバランスが絶妙なシルエットと、浅めの2プリーツにより、初心者も穿きやすい。 2万6000円(バインド ピーアール)
■ROTA/ロータ
ビジネススタイルにクラス感を添える
深い1プリーツの他、長めの持ち出しやサスペンダー用ボタンといったディテールがクラシコイタリアを代表するパンツブランドらしい。尻下をスパッとカットしたシルエットもじつに美麗。 5万4000円(ストラスブルゴ)
■ZANELLA/ザネッラ
クラシックとモダンのバランスが秀逸
サルトリアスタイルをモダンにアレンジすることを得意とするザネッラ。こちらは1プリーツで腰回りにゆとりをもたせつつ、膝下はすっきりテーパード。シャープなシルエットが築ける。 3万4000円(グジ 東京店)