オリパラ

オリパラSelect

五輪イベント、何やるとNG? 便乗見分ける指針検討 大会中の渋滞対策、荷主に配送削減を要請へ

2018/4/26 日本経済新聞 朝刊

インタビューに答える東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の武藤事務総長

 2020東京五輪・パラリンピックは今夏から一般の関心が高いボランティア募集やチケット情報の提供サイトがスタート、56年ぶりの大イベントを迎えるムードが高まってくる。残された時間で取り組むべき課題は数多い。輸送やスポンサーの権利保護などの取り組みについて、大会組織委員会の武藤敏郎事務総長に現状を聞いた。

 東京大会の会場は4割が都外となり、都内の施設も各地に分散した。大会関係車両約6000台の大半は首都高速などの幹線道路を利用する。選手や関係者をスムーズに運ぶため、特に都心の渋滞対策が円滑な運営には不可欠だ。

 関係車両や各国要人の移動が増える五輪開会式(7月24日)の前日と当日、閉会式翌日(8月10日)については、「海の日」等を移動して祝日にして交通量を減らす方針が固まっている。

 「祝日の移動は非常に効果的な対策となる。平日も交通需要を普段より15%程度減らす必要がある。運送会社や荷主など経済界にも協力を求めていきたい」

「五輪を盛り上げるためのものなら自由にすべき」と語った

 関係車両専用のレーン設置はなるべく控え、需要の抑制と高速道路への流入制限などによって渋滞の発生を抑えることを目指すという。

 組織委は12日に警察、自治体、経済団体などによる東京圏の輸送連絡調整会議を開催。検討してきた輸送ルートなどを明らかにした。

 大会ボランティア約8万人の募集は9月中旬から始まる。「原則1日8時間以上で10日以上の活動」など求める条件は厳しく、必要な数が集まるのかも心配される。

 「大会を成功させるために協力したいと手を挙げてくれる人は十分にいると思う。彼らに報いるためにも、名誉あるやりがいのある仕事にしなければいけない」

 12年ロンドン大会のボランティアは「ゲームズメーカー」(大会をつくる人々)と呼ばれ、キャメロン首相(当時)から感謝状が贈られ、英国チームの祝勝パレードに参加することもできた。

 「具体的にはこれからの検討となるが、敬意と感謝を示す方法を同じように考える」

 大会を歓迎する祝祭ムードの醸成とスポンサーの権利保護の両立という難題も残る。平昌五輪では便乗商法になりかねないとして、選手が所属する学校や企業が壮行会や応援風景も外部に公開できないことに不満が続出した。武藤総長は3月末に「盛り上げようとする機運をそがないような対応をしたい」との意向を示した。

 「営利目的ではない企画なら、そんなに厳しくする必要はない。純粋に盛り上げるためのものなら自由にすべきだ。ただ、現状はどんな事案がスポンサーの権利侵害に当たるかという法律もない」

 近年の五輪開催国は便乗商法を規制するための法律を制定しているが、日本は新たな法整備は見送る方向だ。規制は緩やかになりそうだが、国際オリンピック委員会(IOC)などからの反発も予想される。あいまいな部分が多くなり、必要以上に自主規制が広がる可能性もある。

 「立法措置がなければ、独自に便乗商法を判断する指針を作りたい。ただ、IOCとの調整は難しい。法律家やスポンサー、経済界の代表にも入ってもらって、時間をかけて詰めていきたい」

(編集委員 北川和徳)

[日本経済新聞朝刊2018年4月12日付]

オリパラ新着記事

ALL CHANNEL