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乳酸菌と食物繊維を一度に おいしい!乳酸発酵漬け

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

野菜を塩水に漬け込むだけで、自宅でも手軽に作れる「乳酸発酵漬け」。発酵で増えた乳酸菌と、食物繊維が一度にとれ、お通じ改善効果も期待できる。

「乳酸発酵漬け」は、料理研究家の荻野恭子さんがロシアの保存食をヒントに考案した、キャベツなどの刻んだ野菜を塩水に数日漬け込んで作る保存食。漬物と微生物に詳しい東京家政大学の宮尾茂雄教授は、「ほとんどの野菜には乳酸菌が付着している。刻んで塩水に浸すと、浸透圧によって野菜に含まれるブドウ糖や果糖などが浸出し、それを栄養分にして、乳酸菌が増え、発酵が進む」と説明する。

乳酸菌が増えると、乳酸をたくさん作る。「その殺菌作用で食中毒菌や雑菌などは徐々に死滅する。そのため、生の状態よりも保存性が高まる」と宮尾教授。

発酵が進むと、乳酸のほかにアミノ酸、香り成分が産生され、まろやかな酸味やうまみが生まれる。世界各国の料理に詳しい荻野さんは、「ピクルスのように砂糖やスパイスをたくさん入れなくても、野菜のうまみで十分においしくなる」と話す。

野菜の食物繊維と、乳酸菌を一度にとれる「乳酸発酵漬け」は、おいしいだけではなく健康にもいい。「野菜を塩水に漬けて増える乳酸菌は、暑さ寒さなど過酷な条件で生き抜くタフな種類が多い。加熱せず食べれば、生きて腸まで届く可能性が高く、整腸効果が期待できる」(宮尾教授)。また、増えた乳酸菌をたっぷりとれば「加熱した乳酸菌でも整腸効果があるという報告も。免疫を高める作用も期待できる」(宮尾教授)。

塩水に漬けると乳酸菌が増えて発酵する
 漬け汁が白濁してきたら発酵が進んだサイン。「濁りの正体は乳酸菌そのもの。2~3日で乳酸菌は1ml当たり1000万~1億個以上に増えていると考えていい。乳酸菌が増えると乳酸が大量につくられるため、酸味も増す」(宮尾教授)。実際に漬け込んで4日目にリトマス試験紙でpHを調べてみたたところ、酸性に変わっていた。

3日で完成! 塩水に漬けるだけの超カンタン調理ガイド

「乳酸発酵漬け」に必要なのは、野菜と水、そして塩だけ。この割合さえ守れば、塩分控えめの浅漬けのような風味に仕上がる。

乳酸菌をしっかり増やし、発酵を成功させるポイントは2つ。

1つ目は、「塩水をたっぷり注ぐ」こと。材料がひたひたになるまで塩水が注がれていることが重要だ。「野菜からしっかり糖などを浸出させるためにも、塩水にはしっかり浸すこと。野菜の表面が空気に触れていると、カビが生える一因にもなる」(宮尾教授)。

2つ目は、白濁し始めるまでは冷蔵庫に入れず、「室温で保管する」こと。今の時期であれば、1~3日前後で漬けた汁が白く濁り始め、プツプツと泡がでることもある。これは、発酵が進んで、「炭酸ガスをだす乳酸菌が増えるため」(宮尾教授)だ。

白濁が全体に広がって、なめて酸味を感じるころには、酸っぱい香りも漂うようになる。そうなったら食べごろ。室温から冷蔵庫に移し、1カ月以内に食べきろう。

「乳酸発酵漬けに使う塩水の基本は、水1カップに塩小さじ1。作りたい量が少量でも大量でも、この方程式で塩分を調整すれば失敗しません」(萩野さん)。野菜が水に浸りきらない時などもこの割合で塩水を作って足せばいい。塩分濃度は約3%。

「乳酸発酵漬け」に向く野菜は? 「ぬか漬けにできる野菜ならなんでもOK。キュウリやカブ、カリフラワー、ニンジンなど冷蔵庫で余っている野菜を漬けてみて」と荻野さん。キノコや干し野菜、レモンなどの果実も乳酸発酵漬けに向く。

「乳酸発酵漬け」に向かない素材は? 「野菜の中でもホウレン草やゴーヤーなどアクや苦みが強いものは不向き。レタスなど葉が柔らかいもの、レンコンなどでんぷん質が多いもの、海藻も向かない」(荻野さん)。

「乳酸発酵漬け」で漬けた野菜や果物は、うまみと酸味が豊か。調味料代わりに使えば、調理時間も短縮できる。減塩料理もおいしく仕上がる。乳酸菌がたっぷりの、乳酸発酵漬けの漬け汁も活用したメニューを、荻野さんに教えてもらった。

乳酸発酵漬けの楽しみ方は様々。生きた乳酸菌ごとそのまま漬物として食べるのはもちろん、アレンジレシピにも、調味料代わりにも使える。「野菜のうまみや酸味がしっかり出ているので、調味料を使わなくても料理がおいしくなる。減塩料理にも向く」と荻野さん。

また、「乳酸菌は運動性がないので漬け汁の中で動き回ることはなく、ビンの底にどんどんたまっていく。使うときは、よくかき混ぜて汁ごと使うのがお薦め」と宮尾教授は話す。

乳酸発酵した野菜のアレンジレシピ

キャベツのスープ

●カロリー133kcal●食物繊維0.8g●塩分2.9g

[材料(2人分)]

キャベツの乳酸発酵漬け

……………………… 1カップ(具材のみ)

乳酸発酵漬けの漬け汁 ………… 150ml

ベーコン ………………………… 60g

水 ………………………………… 150ml

コショウ ………………………… 適量

ディル …………………………… 適量

[作り方]

1 ベーコンは短冊に切る。

2 鍋にコショウとディル以外の材料を入れ、弱火で10~15分煮る。

3 好みでコショウ、刻んだディルを振る。

※電子レンジでもOK。耐熱容器に入れて600Wで約3分加熱。

キノコのピラフ

●カロリー442kcal●食物繊維2.0g●塩分3.9g

[材料(2人分)]

キノコの乳酸発酵漬け…… 1カップ(具材のみ)

乳酸発酵漬けの漬け汁…… 1と1/4カップ(250ml)

鶏もも肉 ………………… 1/4枚(80g)

米 ………………………… 1カップ

タマネギ ………………… 1/4個(50g)

バター …………………… 大さじ1

パセリ …………………… 適量

コショウ ………………… 適量

[作り方]

1 鶏もも肉は一口大の角切りにし、乳酸発酵漬けの漬け汁に15分ほど漬けておく。

2 米は洗って15分ほど水(分量外)に浸け、ザルにあける。タマネギは小さめのさいの目切りにする。キノコの乳酸発酵漬けは軽く水を切る。

3 鍋に1と2と 、バターを入れ中火で3分煮る。沸騰したらフタをして、弱火で12分煮る。強火で30秒、水分を飛ばす。火を止めて2~3分蒸す。コショウを振り、パセリを散らす。

干し野菜の卵とじ

●カロリー148kcal●食物繊維1.4g●塩分1.8g

[材料(2人分)]

干し野菜の乳酸発酵漬け… 1カップ(具材のみ)

乳酸発酵漬けの漬け汁…… 1/2カップ(100ml)

卵 …………………… 2個

ゴマ油 ……………… 大さじ1

ネギ ………………… 適量

[作り方]

1 干し野菜の乳酸発酵漬けは軽く水分を切る。ボウルに卵を割り入れ、干し野菜と乳酸発酵漬けの漬け汁ともによく混ぜる。

2 フライパンにゴマ油を入れて温め、1を流し入れ、弱火の中火で1~2分、好みの固さになるまで焼く。小口切りのネギを散らす。

トマト&パプリカのサラダ

●カロリー179kcal●食物繊維2.3g●塩分2.4g

[材料(2人分)]

トマト&パプリカの乳酸発酵漬け

………………………… 1カップ(具材のみ)

クルミ(素焼き) ……………… 30g

オリーブオイル ………………… 大さじ1

コショウ ………………………… 適量

[作り方]

1 器にトマト&パプリカの乳酸発酵漬けを盛り、クルミを散らす。

2 オリーブオイルをたらし、コショウを振る。

ドライフルーツとクリームチーズのデザート

●カロリー151kcal●食物繊維1.2g●塩分2.6g

[材料(2人分)]

ドライフルーツの乳酸発酵漬け

……………………… 1/2カップ(具材のみ)

クリームチーズ ………………… 50g

ハチミツ ………………………… 大さじ2

[作り方]

クリームチーズは食べやすい大きさに切る。器にドライフルーツとともに盛り、ハチミツをかける。

荻野恭子さん
 料理研究家。栄養士。料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。ロシアや中国など50カ国以上を訪れて食文化を研究し、料理番組などで多方面で活躍。近著に『乳酸発酵漬けの作りおき』(文化出版局)。「酸味が強くなったら肉や魚と一緒に調理すると味がまろやかになります」。
宮尾茂雄教授
 東京家政大学家政学部・短期大学部栄養学科 食品加工学研究室。中国四川大学客員教授。東京都立食品技術センター副参事研究員などを経て2008年より現職。『漬物の機能と科学』(朝倉書店)など著書多数。「野菜を塩漬けにして発酵しやすい温度は20~25℃。温かくなる春に始めれば失敗しにくい」。

(ライター 松岡真理、レシピ・料理作成 荻野恭子、写真 野口健志、スタイリング 宮田桃子、栄養計算 内山由香=食のスタジオ)

[日経ヘルス 2018年4月号の記事を再構成]

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