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白河桃子 すごい働き方革命

「頑張れ精神」は日本の毒 ドラッカー流は知的に休む ドラッカースクール ジェレミー・ハンター准教授(上)

2018/4/25

ドラッカースクール(正式名称はPeter F. Drucker and Masatoshi Ito Graduate School of Management)准教授。同大学院 Executive Mind Leadership Institute 創始者。日本で Transform の共同代表&パートナーを務める

「セルフマネジメント」研究の第一人者で、米クレアモント大学ピーター・F・ドラッカー経営大学院(ドラッカースクール)准教授のジェレミー・ハンターさん。ハンターさんによれば、ナレッジワーカー(知識労働者)の生産性を上げるには、「他者との関係性を良くすること」「十分な休息を取ること」が重要だ。働く人たちが「自分たちは安全だ」と思える環境をつくることが挑戦を生むための土壌となるという。

■ナレッジワークは関係性が第一

白河桃子さん(以下、敬称略) ジェレミーさんはポスト工業化社会のナレッジワーカーの生産性について研究されていますが、工業時代の生産性とナレッジワーカーの生産性はどう違うのでしょうか?

ジェレミー・ハンターさん(以下、敬称略) とても面白い質問です。私は大学在学中、工場で働いていたことがあります。そこでは、ドアの部品である蝶番(ちょうつがい)を作っていました。いつまでに、何を、何個作らなくてはいけないかというゴールは明確で、誰にも邪魔されることなく、仕事に没頭できました。何時に出勤し、何時に退社するかも決まっていましたし、自分がその仕事をどれだけうまくできたかも見ればわかりました。

白河桃子さん

ナレッジワーカーの仕事はもっと複雑です。共有するナレッジそのものが複雑化しているとともに一人で完結する仕事が極端に減る、いわゆる「他者との関係性」が大きく影響するからです。にもかかわらず、日本もアメリカも、いまだに工業時代の生産性に対する考え方を引きずっています。

白河 ナレッジワーカーの仕事はイノベーションを起こすことですね。スティーブ・ジョブスのような1人の天才がイノベーションを起こすと思われがちですが、そうではなくて、皆の力、つまり関係性を通じてイノベーションを起こしていかないと、新しい、魅力ある商品やサービスは生まれない時代になっている。

ハンター そうです。グループワークが重要であり、それが良い信頼関係に基づくものでなければならない。衝突があっても良いのですが、それでもお互いに信じ、尊敬しあうべきです。

■自分自身の反応をマネージする

ハンター 例えば、専門家とそうでない人がコミュニケーションする場合。専門家はたしかにその分野に精通していますが、だからといって、相手の理解度を試すような言い方をしたら、試された方はどう感じますか?

白河 すごく嫌な感じがすると思います。

ハンター そうでしょう? 相手をジャッジするような態度でコミュニケーションしていると、どうしても関係性が悪くなります。そしてその2人がもしお互いに生産的でなければならない立場だとしたら、どんな結果が生まれるかは容易に想像できますよね。関係性を良くするためには、自分のリアクションとして起きる感情や一方的な批判的感情を理解し、自らのリアクションをどうマネージしていくか、が大事なのです。これは企業のマネジャーにも言えることです。

白河 単に、みなさん仲良くしましょう、ではなく、考えて良好な関係性を維持するのはスキルの一種だということですね。

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