出世ナビ

次世代リーダーの転職学

1社に縛られず稼ぐ時代 成功の極意は3つの力に エグゼクティブ専門の転職エージェント 森本千賀子

2018/4/13

 ちなみに、正社員としてフルタイム勤務していた頃よりも、この働き方にしてからのほうが収入が上がったという方も多くいます。生産性が高い働き方をして、かつ自由な時間も手に入れているというわけです。

 この働き方を選んでいる方々の理由はさまざま。私がお会いした中では、「登山が趣味で、年に何回かは海外の山に出かけて1カ月は滞在したい。だからフルタイム勤務は無理」という経営管理職の方、「花粉症がひどいから、花粉が飛ぶ期間中はハワイに滞在する」という事業開発職の方、「ボランティア活動をするために、1年のうちの一定期間は途上国に行く」というプロジェクトマネジメント職の方などがいました。

 こうした趣味の活動のほか、「育児」を理由に挙げる方も多く見られます。「子どもが幼いうちは一緒に過ごす時間を多く取りたい」「共働きなので、夫婦で家事・育児を分担したい」など。

 そして今後は、「介護」を理由に正社員以外の働き方を選ぶ人も増えてくることでしょう。

 団塊世代が後期高齢者にさしかかる時期には、介護と仕事の両立という悩みが生じてきます。フルタイム勤務が難しくなった場合、休職制度を使うにしても、介護サービスも利用するなら、24時間介護に時間を費やさなければならないわけではありません。

 空いた時間をビジネスにあて、キャリアと収入を途切れさせない。そうしたスタイルで働き続けられるようにする仕組みは、日本の社会に浸透していくべきだと思います。

■柔軟な雇用・働き方を支援するサービスが登場

 こうした柔軟な雇用、働き方を支援する会社も存在感を増しています。

 サーキュレーション(東京・渋谷)では、企業に対して「実働支援型コンサルティングサービス」を提供。経営課題とゴールを踏まえ、ニーズに合致する専門家を集めてプロジェクトを組成・実行します。

 その専門家とは、同社に登録している50歳以上のシニアエグゼクティブや、30歳代~40歳代の「ノマド」「インディペンデントコントラクター」と呼ばれる人たち。経験・スキルを生かして1時間単位でのアドバイス提供から、半年から2年程度のプロジェクトにアサインする仕組みです。

 また、エッセンス(東京・中央)では、「プロパートナーズ」事業として、経営課題を解決する「現役プロ」をビジネスパートナーとして紹介。企業側は、月2回・2時間程度から、必要な頻度・期間でプロの知見・人脈を活用できます。

 こうしたサービスが広がっていることで、自由な働き方を望めば、それができるステージを見つけやすくなっているといえます。しかしもちろん、パートナーとして選ばれるためには、コアスキルを磨き、経験を積んでおく必要があります。

 今は会社員でも、いずれこうした働き方を望む人は、「経営の視点」「組織を俯瞰(ふかん)・横断する力」「周囲を巻き込む力」を磨いておくことをお勧めします。

 特定分野でのコアスキルを極めることも大事ですが、それでは「一作業者」の域を出られません。経営課題解決に際しては、組織を俯瞰し、複数部署を横断してコミュニケーションを取ったり、協力を得たりすることが必要となってきます。

 今の会社で、自分の部署だけで仕事を完結させるのではなく、多くの部署や人と連携する取り組みを、率先して手がけていってはいかがでしょうか。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は4月20日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

森本千賀子
 morich代表取締役 兼 All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊「のぼりつめる男 課長どまりの男」(サンマーク出版)ほか、著書多数。

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

転職する前に知っておきたい
あなたの「エグゼクティブ力」を5分で診断

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


出世ナビ新着記事

ALL CHANNEL