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「ファンドラップ」再び注目 大手が資産管理営業で力 QUICK資産運用研究所 清家武

2018/4/11

写真はイメージ=123RF

「ファンドラップ」への資金流入が2017年から再び加速してきた。同サービスは金融機関が個人顧客と投資一任契約を交わし、顧客に代わって投資信託で資産運用するものだ。

14年から15年にかけてファンドラップはヒットし、純資産残高は急増したが、16年は人気が一服して資金流入の勢いが落ちていた。勢いが戻ったのは17年。金融庁が金融機関に対して「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」を求め、「長期運用」と「分散投資」を主体とする資産管理型営業に取り組む中で、ファンドラップが再び注目されたためだ。

■「攻めと守り」を両立させる戦略

金融機関は顧客の利益を最優先することが重要課題となっている。手数料稼ぎを目的として、投信の短期の乗り換えを勧める営業を控える一方、顧客に資産の長期運用を促す動きが広がりつつある。

そうした中で、投信を「コア(中核)資産」と「サテライト(衛星)資産」に分けて顧客に提案する「投信のコア・サテライト戦略」を掲げる金融機関が増加したのだ。

コア・サテライト戦略とは、リスクリターンが低めのコア資産をポートフォリオの中心に据えて、残りをリスクリターンが高めのサテライト資産で運用し、安定的な利回りを確保しつつ高いリターンも狙う運用手法だ。複数の異なる値動きの資産に投資する分散投資効果により、ポートフォリオ全体のリスクを低減させることが期待できる。「攻めと守り」を両立させるこの戦略は、国内外の機関投資家も採用する有力な手法だ。

■ファンドラップの残高は推計8兆円

コア資産として、大手金融機関は複数の資産に分散投資するファンドラップを据えるケースが多い。国内のファンドラップ全体の残高は8兆円程度と推定できる。ファンドラップ全体の約9割を占めるファンドラップ大手8社(野村証券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三井住友銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、りそな銀行)の2月末時点の残高合計は約7.1兆円となり、過去最大を更新し続けている。

一方、中小金融機関は「バランス型ファンド」が中軸で、バランス型ファンドの純資産残高の合計も2月末時点で約8.5兆円になった。ファンドラップとバランス型ファンドの純資産残高を合わせると約16.5兆円になる。

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