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「稲盛流を次世代に」 革命児・千本氏の経営者育成

2018/4/11

レノバ会長の千本倖生氏

 第二電電(現KDDI)、イー・アクセス(現ワイモバイル)を創業した千本倖生氏(75)は、通信業界の革命児と呼ばれた。通信業界の第一線から退いた現在、再生可能エネルギー開発ベンチャーのレノバの代表取締役会長を務めながら、ベンチャー企業経営者への指南をライフワークとしている。2度の起業と上場を経験した千本流の経営者育成術とは?

■伸びる社長には「野心と慎重さが共存」

 「稲盛さんから経営をOJT(職場内訓練)で教わった。このたいまつを次の世代に引き継ぐのが私の使命だと思っている」。千本氏にとって京セラ創業者の稲盛和夫氏は経営の先生だ。KDDIの前身、第二電電(DDI)を稲盛氏と共に創業し、稲盛流の経営を学んだ。

 1983年末まで電電公社(現NTT)に勤めていた間、米国に2回留学し、日本の通信業界の課題は競争がないことだと痛感。電電公社の民営化に合わせ、これと対峙する第二の通信会社の立ち上げを画策した。そのアイデアについて83年秋、大阪の喫茶店で熱弁を振るった相手が稲盛氏だった。その1年半後にDDIが発足。30万人の電電公社に2人で立ち向かった。

 稲盛氏から学んだ成功の秘訣について、千本氏は「野心と慎重さ、相反するこの2つの気質を両立させること。世の中の経営者はどっちかで、ほとんどの人は慎重。一方、ベンチャー経営者によくあるのはリスクをとって行動する大胆さだ。片方だけでは成功しない。一人の人間の中に99%の慎重さと、1%のリスクをとる勇気を共存させられる人が成功する。稲盛さんは大胆な人に見えるが、よく徹夜を重ねて準備していた」と振り返る。

 千本氏は「ベンチャー経営は、最初はうまくいっても必ず地獄の谷がある。理由は様々だが、9割はそこでだめになる。そのときにはい上がれるようにするには、慎重に他人の3倍の準備をしないといけない。私は数カ月で700ページに及ぶ事業計画書を作った。何度も反すうして見直して、夜中、夢に出てくるぐらい、思い詰めたものだ」と話す。

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