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かわいい?こわい? 奇妙なくちばしをもつ鳥12選

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/4/15

ナショナルジオグラフィック日本版

サイチョウ。この印象的な鳥は、「カスク」と呼ばれる頭部の構造物で鳴き声を増幅させる。写真は米国シンシナティ動物園のメス(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

 鳥たちの中には、奇妙な形のくちばしをもつものがいる。世界でいちばん変わったくちばしは、どんなものだろう? ここでは、驚くべきくちばしをもつ12種の鳥を写真で紹介しよう。

■上下は多くても横向きは1種

 世界中で1万種を超える鳥が知られているが、中には独特のくちばしをもつものがいる。

 例えば、ニュージーランドのハシマガリチドリは、知られている中で唯一「横に曲がったくちばし」をもつ鳥だ、と米国ピッツバーグにある国立鳥類園の鳥類学者ボブ・マルヴィヒル氏が教えてくれた。おかしな形に見えるかもしれないが、川の石の下に隠れている好物の水生昆虫を探すには、この方がずっと都合がいい。

 下向き、つまり下に曲がったくちばしをもつ鳥は多い。例えば、花の蜜を主食にするカギハシハチドリのくちばしは、花のカーブにぴったり合うよう下に曲がっている、とマルヴィヒル氏は言う。

 くちばしが上向きの鳥もいる。絶滅の危機に瀕している南米のソリハシヤブアリドリは、上に反ったくちばしのおかげで、「モナリザの微笑みをもつ」と言われる。多様なソリハシセイタカシギ属は、細く上方に反ったくちばしを使って浅瀬をさらい、小さな獲物を捕らえる。

ソリハシセイタカシギ。米国シルヴァン・ハイツ・バードパークのソリハシセイタカシギ。細く上方に反ったくちばしを使って浅瀬をさらい、小さな獲物を捕らえる(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

■サラダトングや靴も

 鳥のくちばしは、その生態について多くを教えてくれる、とマルヴィヒル氏。

 南北米大陸の東部に分布するクロハサミアジサシは、受け口の、つまり上くちばしよりも下くちばしの方が長い唯一の鳥だ。これは飛びながら水面直下の獲物をすくうのに役立つ。

クロハサミアジサシ。米国バトンウッド・パーク動物園でカメラの前に立つクロハサミアジサシの「ボリス」。知られている限り、下くちばしが上くちばしよりも長い鳥はこの種だけだ(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

 アトリ科の一種であるイスカは、上下のくちばしがきちんとかみ合わずに交差している。これは松かさから種を取り出すのに適した形だ。

 ベニヘラサギは、その名前の元になった形によらず、くちばしを「へらというよりサラダトングのように使い」、半開きにして水中で左右に振り、獲物をひっかけるのだと米フロリダ・ガルフ・コースト大学の行動生態学者ジェローム・ジャクソン氏がメールで教えてくれた。

ベニヘラサギ。この色鮮やかな鳥は、サラダトングのようなくちばしを使って獲物をかき込む。米国グラディス・ポーター動物園で撮影(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

 アフリカ大湖沼地域のハシビロコウは、靴のような形の巨大なくちばしをもっている。そんなくちばしで何を食べるのだろうか? 「食べたいものはほとんど何でも」とマルヴィヒル氏は答える。ただし、いちばんの好物は子ワニだそうだ。

ハシビロコウ。アフリカのハシビロコウは、ワニの子どものような大きな獲物も口に入れられる。写真は米国ヒューストン動物園で飼育されているもの(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

■餌のみに使うにあらず

 くちばしは食べるため以外にも使われる。

 東南アジアに生息するサイチョウのくちばしの上には、「カスク」と呼ばれるヘルメット状の突起がある。内部はほぼ空洞でハチの巣状になっており、そこで音が反響し、鳴き声が増幅される、とマルヴィヒル氏。

 北方に分布するツノメドリは、オスもメスも鮮やかな「漫画のようなくちばし」を見せびらかして異性を誘う。「ただし、繁殖期が終わるとカラフルな固いプレートのような部分がはがれ落ち、すっかり地味なくちばしになる」と言う。くちばしを衣替えする鳥もいるのだ。

 次ページで、奇妙なくちばしの鳥をさらに7種紹介する。

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