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「家なき子」の相続節税厳しく 負担、数千万円増も 4月の税制改正で

2018/4/14

自宅の土地の評価額は特例適用で8割減に

4月の税制改正を受け、土地の相続税額を大きく減らせる特例の適用条件が厳しくなった。これまで認められていた節税対策が無効になることもあり、都心の一等地では数千万円単位で税額が増える可能性がある。厳格化されたのは主に「家なき子」と呼ばれる規定だ。どう対応したらいいのか考えた。

「家なき子とは認められなくなったので、作戦を練り直すしかないですね」。税理士の橘慶太氏は最近、会社を経営する50代のAさんにこう伝えた。

■作為的な節税策、封じられる

Aさんの両親は高級住宅地に一戸建ての家を構えて夫婦2人で暮らしている。その土地は将来Aさんが相続する予定。そのときに備えて練っていた節税対策を見直す必要があるというのだ。どういうことか。

相続税制では家の土地を相続する場合、その評価額を8割も下げられる特例がある。税負担から家を売らざるをえない事態を避けるのが趣旨で、「小規模宅地等の特例」という(表A)。子どもが相続する場合は故人と生前、同居していたことが条件となる。

ただし、会社命令による転勤などの事情からやむを得ず別居するケースもあるため、救済規定がある。これがいわゆる「家なき子」。持ち家に住んでいないことを条件に特例の適用を認めている。

Aさんの節税対策は当初この規定に着目していた。住んでいる家の所有者名義を、自ら経営する会社に変更。形式的に家を持っていない状態にしようと計画していた。

ところが4月の税制改正によって、作為的に家なき子になる節税対策はほぼ完全に封じられた。Aさんのように持ち家を「特別な関係にある法人」に売却したり、子どもに贈与したりする節税対策は通用しなくなった。親に買ってもらった親名義の家に住んでいる人も家なき子ではなくなる。

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