マネー研究所

プロのポートフォリオ

成長株優位は続く? 反動なら割安株注目(窪田真之) 楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

2018/4/10

写真はイメージ=123RF
「近年は、割安株が不振で成長株優位の展開が続いている」

株式の代表的な運用スタイルに、「成長株投資」と「割安株投資」があります。前者は成長力がある銘柄に投資、後者は企業価値に比べて割安に放置されている銘柄に投資するスタイルです。

私はファンドマネジャー時代、割安株投資を主軸にしていました。具体的にはPER(株価収益率)などの株価指標から見て、割安と判断される銘柄に投資して、値上がりを狙う戦略です。

PERは「ピーイーアール」または「パー」と呼びます。日本だけでなく、世界中の投資家が見る代表的な投資指標なので、PERをきちんと理解しておくことは重要です。

PERは株価を1株当たり利益で割って算出します。つまり、PERは「1株当たり利益の何倍まで株価が買われているか」を示します。一般的に、倍率が高いと株価は「割高」、低いと「割安」と見なされます。

■PERで進む銘柄間格差

株式の投資理論に「低PER効果」があります。PERが低い銘柄ほど、投資のパフォーマンスが良くなる傾向がある、との内容です。

ただし、これには注意が必要です。一般的には「割安株が優位の相場展開でのみ、低PER効果が有効」だからです。

低PER効果が発揮される時期は、意外と限られています。近年は、割安株が不振で成長株優位の展開が延々と続いています。PERが高い銘柄ほど、パフォーマンスが良い状況が定着しているのです。米国のIT(情報技術)関連銘柄に物色が集中し、時価総額が巨大になっているのが象徴的ですが、日本でも同じような環境にあります。結果的にPERの二極化が進んでいます。

個別銘柄のPERを見てみましょう。表でわかりますが、PERは銘柄ごとにかなり開きがあります。トヨタ自動車のPERはわずか8倍です。東証1部上場全銘柄の平均PER(加重平均)が約15倍であることを考えると、株価は割安に思えます。

一方、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドのPERは51倍です。東証1部の平均と比較して、割高に見えます。

ただし、PERを単純に比較して、割安・割高を判断するのは問題があります。PERはあくまでも利益に対して、株価が何倍まで買われているか示しているだけです。

■同じ利益はずっと続かない

同じ利益が何年にもわたってずっと続くならば、PERだけで割安・割高を判断しても問題ないでしょう。ただし、現実には同じ利益が将来も続くわけではありません。将来の利益がどうなるか、増えていくのか減ってしまうのか。そのイメージによって、PERで高い水準まで株価が買われるか、低い水準に放置されるかが決まります。つまり、PERが低い銘柄にはそれなりの理由があるのです。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL