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佐藤可士和が企画 塚田農場の「プチ高級」焼き鳥店

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NIKKEI STYLE

日経トレンディネット

居酒屋「塚田農場」などを展開するエー・ピーカンパニーは新業態の「焼鳥つかだ」を東京・中目黒に2018年3月オープンした。クリエーティブディレクターの佐藤可士和氏が空間プロデュースを担当する。佐藤氏は国立新美術館のシンボルマークデザインやユニクロ、楽天グループのグローバルブランド戦略などで知られるが、飲食店をプロデュースするのは初めてだという。

同社は16年10月から低価格帯の焼き鳥店として「やきとりスタンダード」を展開しているが、塚田農場ブランドとしては初の焼き鳥店だ。塚田農場の平均客単価は3500~4000円、やきとりスタンダードはそれより安い2000~2500円だが、焼鳥つかだは4500円前後とやや高めとなる予定。

「盛り込みすぎて商品の印象が弱い」

エー・ピーカンパニーが佐藤氏にプロデュースを依頼した理由は、数年前から続く営業不振にある。14年5月から連続して既存店売上高と客数がマイナスを記録している。米山久社長は「マイナスと言ってもピークだった時期との比較。今がそれほど悪い業績とは考えていない」と話す。だが、「3~4年前に大量出店した際に立地戦略ミスがあったのは確か。今はそれを整理している段階だ。今回(佐藤氏とともに)リブランドすることで、日本一を取っていきたい」(同氏)という。

一方、佐藤氏は業績の伸び悩みについて別の理由も指摘した。「塚田農場の店舗を何店かまわったが、いろいろ盛り込みすぎて本当に伝えたいことが隠れてしまい、肝心の商品の印象が弱くなっていると感じた。軸足を少し変えた戦い方が必要だ」(佐藤氏)。

高級店と大衆店の間を目指す

リブランドにあたって佐藤氏が出した提案は主に2つだ。ひとつは「塚田農場」ブランドで多店舗展開すること。もうひとつは「レアマス」というポジションを新たに作ることだ。

レアマスは佐藤氏の造語で「高級店(レア)より下で、大衆店(マス)より上を指す」という意味だ。「今の飲食業界は、レアな店とマスの店は繁盛しているが、その中間に元気がない。塚田農場というブランドにはマスで展開でき、しかもレアを感じさせることができる実力がある」と佐藤氏は話す。「レアマスな塚田農場」とは、一体どんな店なのだろうか。

入口から箸置きまで「佐藤可士和ワールド」

店舗の外観に使われているのは無垢の杉材とステンレス、ガラスのみ。佐藤氏自ら「これだけそぎ落としたファサードも珍しいのでは」というが、確かに素材の持つ美しさが感じられる。

入り口をくぐると左がオープンキッチンとカウンター席、右がテーブル席という作りだ。突き当りののれんの奥には掘りごたつ式のカウンター席があり、さらにその奥に個室がある。細長い立地で決して広くはないが、統一感があり、狭さは感じない。

壁は杉の無垢材を生かし、余計な装飾を排除したという。照明も上部に埋め込まれているので、すっきりして見える。改装前、塚田農場として営業していたころの梁をあえて残しているのは、「塚田農場のDNAへのリスペクトというストーリーを表現した」(佐藤氏)という。個室の壁に飾られている有田焼は、佐藤氏がスプラッシュペインティングで絵付けしたもので、同じように佐藤氏が色付けをした有田焼の皿も焼き鳥の受け台として使用されている。箸、箸置きにいたるまで、佐藤氏デザインのオリジナルだ。

価格はやき鳥スタンダードの約2倍

肝心のフードメニューは50品弱で、塚田農場のメニュー数よりも絞っている。焼き鳥とサイドメニューは250円からで、最も高い「極上親子丼」でも800円。焼き鳥1本が120円前後で、一番高い料理でも450円というやきとりスタンダードと比較すると2倍近い価格だ。

だが、価格を上げたぶん、料理にかなり手をかけているように感じた。料理「ささみ磯辺焼き」は、ササミのうまみをアップさせるために昆布締めにしてから炭火焼きにし、直前に炭火であぶったノリで包んでいる。「月見つくね」は食感や味のバランスを考え、数種類の部位や肉を使用しているが、うまみが逃げないように店内で手びきしているという。また、スタッフが若いこともあってサービスもカジュアルな印象の塚田農場ややきとりスタンダードと比べ、焼鳥つかだはスタッフの年齢層がやや高めで、落ち着いた雰囲気。客単価から受けたイメージよりも高級感があった。

しゃぶしゃぶ、すしも視野に

空間や料理、サービス、価格のバランスがいい店と感じたが、懸念は今後の展開だ。米山社長は「効率重視のチェーンストア理論で生き残れる時代ではない」と話し、現在150店舗近くある塚田農場のうち30~50店舗を今後、つかだに業態転換して、しゃぶしゃぶやすしなどの店舗を展開していくという。

「焼き鳥のみに絞った展開は視野にはいれていない」(米山社長)というが、塚田農場といえば鶏肉のイメージが強い。焼き鳥以外の料理で多店舗展開すると、かえってブランド力が弱くなるのではないだろうか。それに対し佐藤氏は「フレンチやイタリアンを手がけるのであれば違和感を覚える人はいるかもしれない。だが、和食であれば素材そのものを生かしてシンプルに調理するという共通点がある。ブランドイメージがぶれることはない」と説明する。

18年4月には焼鳥つかだと同じ中目黒エリアにつかだブランドの炉端焼き店も開業予定。「つかだのブランディングに成功したら、次はECサイトも展開していきたい」と米山社長は意気込む。

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2018年3月26日付の記事を再構成]

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