佐藤可士和が企画 塚田農場の「プチ高級」焼き鳥店

日経トレンディネット

塚田農場ブランドの旗艦店となる「焼鳥つかだ」(目黒区上目黒1-20-5)。中目黒駅を出て徒歩2分。中目黒高架下の蔦屋書店向かい。営業時間は17~24時。席数51
塚田農場ブランドの旗艦店となる「焼鳥つかだ」(目黒区上目黒1-20-5)。中目黒駅を出て徒歩2分。中目黒高架下の蔦屋書店向かい。営業時間は17~24時。席数51
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居酒屋「塚田農場」などを展開するエー・ピーカンパニーは新業態の「焼鳥つかだ」を東京・中目黒に2018年3月オープンした。クリエーティブディレクターの佐藤可士和氏が空間プロデュースを担当する。佐藤氏は国立新美術館のシンボルマークデザインやユニクロ、楽天グループのグローバルブランド戦略などで知られるが、飲食店をプロデュースするのは初めてだという。

同社は16年10月から低価格帯の焼き鳥店として「やきとりスタンダード」を展開しているが、塚田農場ブランドとしては初の焼き鳥店だ。塚田農場の平均客単価は3500~4000円、やきとりスタンダードはそれより安い2000~2500円だが、焼鳥つかだは4500円前後とやや高めとなる予定。

「盛り込みすぎて商品の印象が弱い」

エー・ピーカンパニーが佐藤氏にプロデュースを依頼した理由は、数年前から続く営業不振にある。14年5月から連続して既存店売上高と客数がマイナスを記録している。米山久社長は「マイナスと言ってもピークだった時期との比較。今がそれほど悪い業績とは考えていない」と話す。だが、「3~4年前に大量出店した際に立地戦略ミスがあったのは確か。今はそれを整理している段階だ。今回(佐藤氏とともに)リブランドすることで、日本一を取っていきたい」(同氏)という。

一方、佐藤氏は業績の伸び悩みについて別の理由も指摘した。「塚田農場の店舗を何店かまわったが、いろいろ盛り込みすぎて本当に伝えたいことが隠れてしまい、肝心の商品の印象が弱くなっていると感じた。軸足を少し変えた戦い方が必要だ」(佐藤氏)。

佐藤可士和氏(写真左)とエー・ピーカンパニーの米山久社長(写真右)
入口には佐藤氏が墨で手描きした鶏の絵があった

高級店と大衆店の間を目指す

リブランドにあたって佐藤氏が出した提案は主に2つだ。ひとつは「塚田農場」ブランドで多店舗展開すること。もうひとつは「レアマス」というポジションを新たに作ることだ。

レアマスは佐藤氏の造語で「高級店(レア)より下で、大衆店(マス)より上を指す」という意味だ。「今の飲食業界は、レアな店とマスの店は繁盛しているが、その中間に元気がない。塚田農場というブランドにはマスで展開でき、しかもレアを感じさせることができる実力がある」と佐藤氏は話す。「レアマスな塚田農場」とは、一体どんな店なのだろうか。

「つ」の字ののれんの奥に掘りごたつ席と個室がある
店舗改装前の梁をあえて残している

入口から箸置きまで「佐藤可士和ワールド」

店舗の外観に使われているのは無垢の杉材とステンレス、ガラスのみ。佐藤氏自ら「これだけそぎ落としたファサードも珍しいのでは」というが、確かに素材の持つ美しさが感じられる。

入り口をくぐると左がオープンキッチンとカウンター席、右がテーブル席という作りだ。突き当りののれんの奥には掘りごたつ式のカウンター席があり、さらにその奥に個室がある。細長い立地で決して広くはないが、統一感があり、狭さは感じない。

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価格はやき鳥スタンダードの約2倍
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