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「自己愛型」上司のアピールの手段は電話 写真はイメージ=PIXTA

「自己愛型」上司のアピールの手段は電話 写真はイメージ=PIXTA

どのような人がメンバーの心を壊し、チームの生産性を下げるのか。日本のメンタルヘルス研修の草分け的存在で、多くの企業で「壊れた職場」の相談を受けてきた見波利幸氏が、その実例を「上司が壊す職場」(日経プレミアシリーズ)にまとめました。本書の一部を抜粋して紹介します。職場を壊す上司には4つのタイプがあり、今回はそのうちの一つ「自己愛型」の上司について見ていきます。

◇  ◇  ◇

電話の声がうるさくて、仕事に集中できない

あるマーケティング・リサーチ関連の会社の話です。

あるとき、A氏が調査プロジェクトの進行管理を担当する課長に就任しました。

業務内容は、営業がクライアントから受けてきた依頼に沿って、外部の会社に調査を発注、その結果を営業経由でクライアントに渡し、マージンを稼ぐという非常にシンプルなものです。

業務に専門性は特に必要なく、顧客との直接の接点もないため、言葉は悪いのですが、それほど難易度も高くなく、ストレスにもさらされない仕事だったようです。

もともとは、A氏の部署が直接リサーチに携わっていたのですが、前任の課長であるB氏が思い切って仕事の進め方を変え、外注化によって社員の負担を少なくし、いくつものプロジェクトを同時進行できる体制を構築したのです。

その結果、数人のスタッフで扱える案件も飛躍的に増え、部門収益も以前に比べて非常に高くなりました。

この状況はA氏が課長に就任してからも続いていました。

「俺のマネジメント能力が高いから、うちの業績は絶好調なんだよ。なっ、さすがだろ?」

「俺の仕事は誰にでもできるっていうもんじゃないんだよ。高度な専門性が必要なんだ。お前の課長にも言っておけよ」

A氏は、誰を相手にしているのかはわからないのですが、電話で大声で自慢し続けていたそうです。

ところが、A氏の仕事の進行がかなり乱暴だったため、その後、しばしばトラブルを起こすようになります。すると……、

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