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ヒットを狙え

「誇れる時短」で大ヒット オイシックス料理キット

日経トレンディ

2018/4/14

一番人気の「ジューシーそぼろと野菜のビビンバ」

 有機・無農薬野菜などの食材宅配を手がけるオイシックスドット大地。2013年7月に販売開始したミールキットが急成長している。人気の秘密はどこにあるのか。菅美沙季執行役員に聞いた。

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執行役員サービス進化室室長。1983年生まれ。2009年6月にオイシックス(当時)入社。12年からEC事業部販売企画室長。13年4月にサービス進化室長となり、同年7月、ミールキット「Kit Oisix」を立ち上げ。同社初の女性執行役員(写真:古立康三)

 当社がミールキット「Kit Oisix(キットオイシックス)」を販売開始したのは13年7月。15年3月時点では累計出荷個数は100万にも満たなかったが、16年以降に飛躍的に伸長し、18年2月時点で900万キットを突破した。現在ではミールキットを定期購入するコース会員は6.6万人を超え、これまで主力だった野菜など食材中心の定期購入会員数を抜いた。

 開発のきっかけは、働く女性が増えるなかで、食のソリューションが不足しているという課題意識だ。「忙しいから毎日手作りはできないが、手を抜き過ぎるのは嫌」というニーズを感じていた。一方で、既存会員からは「せっかく有機野菜を買っても使いこなせない」などの不満も聞こえていた。これらの課題解決の手段として、まずは4メニューを用意して始めた。

 すでに先行している他社商品はあったが、「20分で2品」というコンセプトはわかりやすかったようで、反応は当初から良好。「10分」ではなく「20分」にしたのは、手軽でありながら自分で調理している実感も持てるようにするためだ。珍しい野菜を一部入れる、少しひねりを利かせたレシピにするなど、単なる時間短縮ではない「誇れる時短」の提供を目指してきた。

13年7月から販売開始した「20分で主菜と副菜の2品が作れる」食材セット(写真は「ジューシーそぼろと野菜のビビンバ」)。野菜、肉、魚、調味料などの食材が調理に必要な分だけ、レシピと一緒に入っている。価格は2人前980円から(税別)
既存事業を超える会員6.6万人。累計出荷個数は900万を突破

 出してみてわかったのは、ユーザーが省きたいのは作る時間よりも「献立を考える時間」だったということ。献立提案機能が支持されていることがわかってからは、メニュー数の充実に注力。週20以上、月100近くの献立を提供できるまで開発を進めた。

 当初のハードルは賞味期限。いくら献立数を増やしても、週に1回の宅配ペースでは前半3日間しか使えないという課題があった。その後野菜のカットや調味加工の方法を工夫し、賞味期限を5日まで延ばし、さらにフローズン商品を投入。添加物を使わずにカット野菜の鮮度を保つために、個装袋に関しても改良を重ねた。

 ユーザーの中心層は30~40代で、7割が子育て中だ。契約者のほとんどが女性だが、実際には「妻が頼んでおいたミールキットを使って夫が調理する」例も少なくないようだ。また、「子供と一緒にキッチンに立ちたい」という食育ニーズも見えてきている。

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