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「誇れる時短」で大ヒット オイシックス料理キット

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NIKKEI STYLE

有機・無農薬野菜などの食材宅配を手がけるオイシックスドット大地。2013年7月に販売開始したミールキットが急成長している。人気の秘密はどこにあるのか。菅美沙季執行役員に聞いた。

◇  ◇  ◇

当社がミールキット「Kit Oisix(キットオイシックス)」を販売開始したのは13年7月。15年3月時点では累計出荷個数は100万にも満たなかったが、16年以降に飛躍的に伸長し、18年2月時点で900万キットを突破した。現在ではミールキットを定期購入するコース会員は6.6万人を超え、これまで主力だった野菜など食材中心の定期購入会員数を抜いた。

開発のきっかけは、働く女性が増えるなかで、食のソリューションが不足しているという課題意識だ。「忙しいから毎日手作りはできないが、手を抜き過ぎるのは嫌」というニーズを感じていた。一方で、既存会員からは「せっかく有機野菜を買っても使いこなせない」などの不満も聞こえていた。これらの課題解決の手段として、まずは4メニューを用意して始めた。

すでに先行している他社商品はあったが、「20分で2品」というコンセプトはわかりやすかったようで、反応は当初から良好。「10分」ではなく「20分」にしたのは、手軽でありながら自分で調理している実感も持てるようにするためだ。珍しい野菜を一部入れる、少しひねりを利かせたレシピにするなど、単なる時間短縮ではない「誇れる時短」の提供を目指してきた。

出してみてわかったのは、ユーザーが省きたいのは作る時間よりも「献立を考える時間」だったということ。献立提案機能が支持されていることがわかってからは、メニュー数の充実に注力。週20以上、月100近くの献立を提供できるまで開発を進めた。

当初のハードルは賞味期限。いくら献立数を増やしても、週に1回の宅配ペースでは前半3日間しか使えないという課題があった。その後野菜のカットや調味加工の方法を工夫し、賞味期限を5日まで延ばし、さらにフローズン商品を投入。添加物を使わずにカット野菜の鮮度を保つために、個装袋に関しても改良を重ねた。

ユーザーの中心層は30~40代で、7割が子育て中だ。契約者のほとんどが女性だが、実際には「妻が頼んでおいたミールキットを使って夫が調理する」例も少なくないようだ。また、「子供と一緒にキッチンに立ちたい」という食育ニーズも見えてきている。

成長加速の転換点は、商品をより細かいニーズごとに分けたシリーズ展開を始めたことだ。「子供に栄養バランスのいい食事を食べさせたい」ニーズと、「たまにはもてなし料理も楽しみたい」など複数のニーズがあることに気づき、普段の食卓に使える「デイリー」、著名な料理家が監修する「シェフ」、子供も食べやすい味付けの「キッズ」、パーティーなどでも映える「イベント」とシリーズを増やしていった。品ぞろえが充実し、専用工場での量産体制が整ったタイミングで、ちょうど世間の注目度も急上昇。16~17年にかけての1年間で累計出荷数を倍増させることができた。

最近では、食通で知られるアンジャッシュ・渡部建さんによる「2人で作る」シリーズがヒット。味噌造りや梅シロップなど、あえて手の込んだ作業に挑戦する「手仕事」シリーズも即完売が多い。「インスタ映え」をキーワードにした企画では、作った料理を撮影するマニュアルと木製ボードもセットにした。17年秋には、一つの調理プロセスのなかで幼児食も同時に作れる「ちびキッズ」シリーズも新たに加えた。

毎週数百件の声から改善

ユーザーの当社への期待は、「安心・安全」だが、ミールキットにおける他社との差別化ポイントは、多様なニーズに対応できるメニューの豊富さ。それを可能にする開発力の源にあるのは、徹底したリサーチ主義だ。

毎週、ユーザーが回答するアンケート数百件に目を通し、要望や改善点を洗い出している。より具体的にヒアリングしたいときには電話をかけて詳しく聞いたり、自宅を訪問することも。冷蔵庫の常備品や調理グッズをチェックして、キットに必要な材料の選定につなげている。これまで集めた声の数は延べ数千件以上に上る。

私たちも楽しみにしているヒアリング会に、「コドモニター」という親子参加型の企画がある。キッズたちにメニューを実際に食べてもらい、厳しい意見を聞く。○×での味を評価してもらう他、食の進み具合、野菜のサイズが適切かなどを見ている。人気商品に成長した「ビビンバ」のニンジンのカットサイズも、こうした調査で決まった。「豆腐は好きだけど、焼き豆腐は見た目が焦げてるみたいで嫌」など、大人には想像もつかない意見を集められる貴重な場になっている。

抽出した改善点は実際に商品に反映して、また反応を見る。ユーザーの声を頻繁に聞いて商品に反映していくサイクルはユーザーにも好意的に受け止められており、「一緒に商品を育てていく」感覚を楽しんでいる様子も見て取れる。食材と一緒に届けるレシピカードのデザインも、ユーザーの声を聞きながら改善を重ねた自信作だ。

今後の課題としては、オイシックスを知らない層にも広げていく発信力を高めること。1月に発表したNTTドコモとの提携は新規顧客開拓、販路拡大にもつながると考えている。より安く提供するための努力もしていきたい。

(ライター 宮本恵理子)

[日経トレンディ2018年5月号の記事を再構成]

日経トレンディ 2018年 5 月号


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