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自身が運営する「歌舞伎町ブックセンター」で語る手塚マキ氏

自身が運営する「歌舞伎町ブックセンター」で語る手塚マキ氏

出世とは「世に出る」ことである。従来の出世の枠にとらわれず、自らの価値を世に問い続けている人々は、どんな思考法や哲学を持っているのか。予防医学者でネット、アート、ゲーム、料理など幅広い分野に精通する石川善樹氏が迫る。

今回の対談相手は、カリスマホストと呼ばれ、現在は新宿・歌舞伎町でホストクラブや飲食店など10店ほどを経営し、歌舞伎町商店街振興組合の理事も務める手塚マキ氏。2017年秋、歌舞伎町に「愛」をテーマにした書店を開設した狙いや新宿でのナイトエコノミーの可能性などを聞いた。

「不良の全国大会」でのし上がる

石川 手塚さんはホストクラブなどの経営者だけでなく、歌舞伎町の活性化を引っ張る若手リーダー、さらにはワインソムリエなど多彩な顔をお持ちです。そもそも、ホストの世界に入ったきっかけは何だったのですか。

手塚 僕もそうですが、ほとんどのホストは「なりたい」と思ってホストになるのでなく、「流れ」でなります。ホストクラブでアルバイトを始めたのは19歳のとき。最初はアングラの世界に興味があり、ちょっとのぞいてみようかな、という軽い気持ちでした。当時はいわゆる「きれいめ系」のファッションにはまっていて、それもホストに興味を持った理由の一つです。

中学の頃から、早く働いて社会のメンバーとして認められたいという思いが強かったのも大きいですね。理系志望で高校は埼玉県立川越高校という進学校に進みましたが、友達と同じようにこのまま有名大学に通い、いい会社に就職するというレールに乗っかっていいのか、という疑問はずっと抱えていました。

石川 実際、働いてみてどうでした?

手塚 バイオレンス映画のようなことが本当にあってぶったまげましたね。水商売の世界の1年は普通の世界の10年といわれますが、毎日が濃かった。一応、大学の夜間部に籍を置いていたのですが、とても生半可な気持ちではできないと思い、バイトに専念することにしました。大学のサークルなどに顔を出すこともありましたが、格好いいなと思う先輩が少なかった。それより歌舞伎町の方が魅力的な人が多かったですね。「不良の全国大会」みたいな感じで。

石川 どんな風に魅力的だったんでしょう。

手塚 まず、おしゃべりがうまい。書く文化がないから(笑)。けっこうアタマが切れるヤツも多く、話の内容も面白い。自分もアカデミックなことを勉強しないといけないなと刺激を受けました。だらだら4年間大学に行くより、ここでいろんな意味で自分を鍛えた方がまともな23歳になれているんじゃないかと思いましたね。

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